渋澤 う~ん。でも小泉さんはもともと「自民党をぶっ壊す」といって首相になった人だから、解散というカードを切って改革を推し進めるということもできましたが、アベノミクスは新しい成長を構築していくという性質が強いわけですから、解散という手段が本当に正しいのかどうか、そこはちょっと疑問です。
こうした政局の動きと照らし合わせて、海外のヘッジファンドなどは、恐らく解散総選挙までが株価のピークだと考えているはずです。しかも12月は市場の出来高が薄い時期ですから、事と次第によっては、株価が大きく崩れるリスクもあると思います。
中野 さっきの話ではありませんが、何かこう、日本の未来を変えるんだというような、素敵な選挙になりませんかね。
渋澤 でもね、それを任期の途中でやったらダメでしょう。任期を満了したうえで、その先のグランドデザインをしっかり描いて、次の選挙に臨むというのなら良いのですが。
ハシゴをはずされた黒田総裁
藤野 まあ、今回は2人の閣僚の辞任もあり、安倍首相としては「泥だらけ解散」という感じもするのですが、泥をかぶって、それでも勝ちにいくという姿には、ある意味、迫力があります。
中野 ちょっと話が戻ってしまうのですが、いいですか。
渋澤 どうぞ。
中野 テレビなどで識者が、消費増税が延期された場合、国債の暴落が起こるなどと発言しているのですが、あれ、おかしいと思います。
日銀はさらに国債を買うスタンスを強めていますから、ヘッジファンドなどが日本国債の売りを仕掛けたとしても、それは自殺行為でしょう。
渋澤 足元はそうでしょうね。でも、長期的には、国債市場が動かないことが一番怖い。日銀がどこまで国債を呑みこんでいくのか。
藤野 まさに何でも呑みこんでしまう「カオナシ」ですね。
中野 日銀という名のカオナシは、国債だけでなく、不動産や国内株式も呑みこんでいる。
藤野 それは黒田総裁も分かっていると思うのですよ。だから、日銀が出来ることをやって支えているうちに、政治が何とかしてねということだったのですが、今回の解散カードで、黒田さんはハシゴを外されてしまった。
渋澤 その意味では、今回の解散騒動を始め、消費税の引き上げの延長は、今後のリスク(不確実性)を高めると思います。
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