バンダイが放つ「のだめ化粧品」の狙いは何だ?《それゆけ!カナモリさん》
■なぜ「のだめ」なのか
文政8年(1825年)以来の歴史を持つ老舗、「株式会社伊勢半」の「ヒロインメイク」シリーズだ。「ベルばら」同様、目元を強調し、金髪巻き毛などの懐かしき昭和の少女漫画のヒロインを彷彿とさせるキャラクターが全面に押し出されている。有名キャラクターではないものの、商品のキャッチコピーがキャラクターと同じくらいに目立ち、効果を挙げている。「もっと天まで届け!マスカラ」は、化粧品口コミサイト「@コスメ」の2009年ベストコスメ大賞マスカラ部門を受賞。ほかにも、「泣き顔美しいアイライナー」「唇よ咲け!リキッドルージュ」「揺るがぬ美肌 マット化粧下地」…などなど。ラインナップはアイメークを中心にメークアップ用品とベースメークまでと幅広い。同社社史を見ると、発売は2005年からというから、ほぼ同時期に展開された競合ではあるが最古参であるようだ。
競合環境が激しい、目元ぱっちり少女漫画キャラクター化粧品。ドラッグストアやコンビニで、手に取らせるインパクトが重要なため、見た目も似てきてしまっている。そこで、バンダイは今回、ターゲットをずらすことを狙ったのだと思われる。
今回の「のだめ」では、あえて、「ベルサイユのばら」という作品名や、「峰不二子」というキャラクター名を全面に押し出していない。「のだめカンタービレ」がそれらほどメジャーでなかったり、「のだめ」のキャラクターのインパクトが弱かったりということではないだろう。作品やキャラクターへの思い入れや同一化以上に、「お悩み解消」という消費者に課題解決を訴えたかったのだろう。
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