バンダイが放つ「のだめ化粧品」の狙いは何だ?《それゆけ!カナモリさん》
10月15日から発売されているのが「峰不二子コスメ」。いわずと知れた『ルパン三世』の永遠のヒロインがキャラクターとなっている。ブランドのコピーには「強さ・美しさをコンセプトに、機能性と不二子のイメージを融合。使うたびに、不二子から強さと美しさをもらえるコスメシリーズです」とある。2種のマスカラ、アイライナー、2種のリップグロスがラインナップされている。
「ベルサイユのばら」シリーズの商品には、現在はアイライナーとマスカラ、スキンケアマスクと入浴剤がある。特にマスカラ、アイライナーは、お姉様フェミニン系の「Ray」、大人オトメ系の「bea’s up」、ギャル系の「小悪魔ageha」と現在でも幅広いファッション誌で紹介されている。
同シリーズの特徴は何といっても商品パッケージで。「ベルばら」の通称で女子ならば誰でも知っている漫画・アニメのキャラクターがデカデカと描いてある。池田理代子の描く人物の特徴である、誇張されたまつげや目元、強い目力(めぢから)が、マスカラやアイライナーの威力を無言で訴えかけてくるのだ。
そもそもバンダイを含む大手玩具各社は、女児の関心が玩具からアクセサリーやファッションに映ってきたここ10年で、次々と女児向け化粧品を打ちだしてきた。現在は10歳前後で化粧に関心を持ち始めるといわれており、さらなる低年齢化も進んでいて、玩具店には、おもちゃと並んで化粧品が置かれている。
バンダイも早くから、「セーラームーン」のキャラクターを使った化粧品や、子供服大手のナルミヤと組んで人気アパレルブランド「メゾピアノ」の化粧品を出すなど、キャラクターなどを使って女児の心をわしづかみにするマーケティングや販売のノウハウを蓄積してきている。
「ベルばら」「不二子」「のだめ」は、そのナレッジを生かして、本来キャラクターとは縁の薄い、20代-30代女子の心もつかんでしまおうという革新的な試みであるのだ。
少し毛色は違うが、市場を見渡すと、競合もいる。
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