中国勢と同質競争をやっても意味がない、シャープの太陽電池事業“生存策”
また、装置型産業なので今後ボリュームを拡大させれば量産効果も働きやすい。技術的に難しく参入障壁が高いのも当社にメリットで、中国勢はまだ薄膜太陽電池を量産軌道に乗せることができていない。
--結晶系太陽電池のほうは今後どうしていくのか。中国で100社以上のメーカーがひしめき、ここはもうコモディティ化している印象もある。
確かに中国勢と同質競争をやっても意味はない。結晶系はやはりセル・モジュールの単品売りではなくて、トータルのシステムで戦っていくことが重要になる。実際、インバーターなどの組み合わせ次第でいくらでも太陽電池の発電効率は改善してくるので、そうした組み合わせで他社と差別化したい。
また、(現状で国内にしか工場がない)太陽電池セルは昨今の円高で、どうしても輸出が不利になってしまっている。国内向けは国内生産で問題ないが、海外向けについては海外企業から外部調達したほうが競争力がある、という状況になっている。太陽電池セルもガラスや封止材のように“最適地調達”してきている。
--太陽電池セルにこだわっていたシャープのイメージはこれから変わっていくのか。
もちろん高付加価値品の製造は続けるし、開発設計もわれわれがやり続ける。長期信頼性を保証するうえではセル・モジュールの設計はやはりわれわれが主導しないといけない。ただ、必要なスペックが満たされれば太陽電池セルも1つの部材という考え方でいく。リカレント社買収もまさにそうだが、結晶系太陽電池のコモディティ化については太陽光発電のトータルソリューションで事業規模を拡大させていく。
(聞き手:西澤 佑介=東洋経済オンライン)
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