あなたにも出来る!社労士合格体験記(第17回)--失業中の放浪体験も仕事の糧になる

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現在の制度では、大まかにサラリーマンとその家族が健康保険、自営業者や無職の人は国民健康保険、75歳以上は後期高齢者医療に大別されます。そして健康保険は、大企業中心の健康保険組合と中小企業中心の全国健康保険組合(協会けんぽ)の2つに保険者が分かれています。

さて、日本で最初にできた社会保険に関する法律が「健康保険法」ということをご存じでしょうか。昨年の社労士択一式試験で「健康保険法は、大正11年に制定され、同時に施行された日本で最初の社会保険に関する法である」という、ひっかけ問題が出題されました。

健康保険法は確かに大正11年に制定されたのですが、施行は大正15年で、保険給付および費用の負担に関する規定は昭和2年の施行なのです。細かい論点ですが、一度出題されているので注意しましょう。そして余談ですが、社労士試験の問題は西暦ではなく、大正、昭和、平成という日本の年号表示になっていることも、押さえておいてください。

新しい後期高齢者医療制度

現在の注目点は、後期高齢者医療制度がどうなるかです。2008年に始まった、75歳以上の保険料と給付を74歳以下と区別して管理する制度ですが、「後期高齢者」という呼称に対する批判に端を発し、2013年度以降の新しい制度が議論されています。

現在の政府方針は、2013年以降は75歳以上の高齢者を、サラリーマン家族が加入する健康保険と、自営業者や無職の人が加入する国民健康保険に振り分けるというものです。この点では2008年の改正以前に戻すことになります。

ただ、新制度の運営主体が市町村になるのか、都道府県になるのかで意見が対立。今後、議論の紆余曲折も考えられます。社労士試験は例年、その年の4月初めまでの法改正部分が出題範囲になるため、少なくとも来年、再来年の試験は、現行の後期高齢者医療制度が問われることが想定されますが、法改正の進展からは目が離せません(なお、後期高齢者医療制度の廃止時期は1年以上先送りされる見通しとなりました)。

次回からは、新しい生活パターンが始まります。

【毎月第2・第4火曜日に掲載予定】

翠 洋(みす・ひろし)
1958年愛知県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)入社。番組制作、報道、出版事業などを経て45歳で退職。延べ1年半の失業期間の後、NHK「地球ラジオ」の専属ディレクターとして3年勤務。その間、ファイナンシャル・プランナー(AFP)に登録。2007年4度目の挑戦で「行政書士」合格後、行政書士法人で外国人の日本在留ビザ申請代行業務に従事。「社会保険労務士」には、2008年4度目の挑戦で合格。現在は、職業訓練講師として「人事労務基礎科」「基礎演習科」などを教えている。趣味はアルトサックス演奏、温泉巡り。「語学オタク」。

人事・労務が企業を変える 東洋経済HRオンライン

 

 

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