堀江貴文氏が語る、「生きるのに必要なこと」 僕が「家もプライドも要らない」と思うワケ
――所有欲というのはもともと少なかったんですか。それともだんだん減ってきたんですか。
だんだん減ってきたというか、これまでは所有せざるをえなかったわけでしょう。そういう状況だったということですかね。もちろん最初は考えたこともなかったですよ。
――シェアの意識が芽生えたのは出所後ですか?
いえいえ、全然、関係ないです。シェアに対して、バチッとここからですというのもないですよ。大学生のときはルームシェアしていましたし。たとえば友達2人で借りると、より広くて環境のいい部屋を安く借りられるじゃないですか。当たり前のことだと思ってたのですけど、意外とそういうことをやっている人はいなかったですね。
――今はあまり一般的でない服のシェアも、そのうち当たり前になってくるんでしょうか。
でしょうね、たぶん。実際、僕がいちばん最後に困っているのはそれなので。実現すると後はカバン1個になっちゃいますよね。誰か(服のシェア事業を)やってほしいですねぇ。
プライドって……それおいしいの?
――本の中では、プライドの話も出てきますね。「プライドなんか持つ必要はない、自分が自分を信じればいい」とおっしゃっています。堀江さんから見て一般的な人、特に男性のプライドが気になるときってありますか?
日本はプライド高い人が多いですよね。なんでだろうなあ。
――最初の話にも関連しますが、プライドの問題で会社を辞めたり、自殺したり……。
そうですねえ、意味がわからないですねえ。そんな大事なの? 何それおいしいの? みたいな(笑)。
――プライドを原動力に生きている人もたくさんいる気がしますが、プライドに代わりうる力ってどういったものがあると思いますか?
うーん、恋愛とか。
――恋愛ですか……。
恋愛ダメですか? あと食欲とか、「面白さ」じゃないですか。
――面白さを求めるのは自然のことだと思うんですが、日本人的には言いにくいですよね。
面白さは大事ですよね。そういう意味では昔から、僕はあんまり仕事している感じはないのです。そもそも、嫌なことはやりたくないんですよね。それで厳しい顔するやつとかいたら、罵倒してしまいますね。若い頃からそうで、けっこうぶつかっていましたね。今よりも、もっとぶつかっていました。
――一般人は、立場を考えて、ぶつかることを自粛しています。家でも会社でも。
僕には、立場ってのはもともとないですよ。その立場ってのは何ですかっていう話じゃないですか。ハブられるとかそういうことですか。
――集団の中で干されるとか、会社として不利益な結果を招くとか。
まあでも、会社からはハブられましたけどね、壮大に。まあでも、全員に好かれるってことはまず無理ですよ。それに自分の考えは折れたくないじゃないですか。
大事なのは自分の考え方であって、ぶつかってもいいんじゃないかと思うんすね。もちろん、それはその人の判断ですけど。
――堀江さんのお話を聞いていると、日頃、われわれが生きていくうえで大事だと思っているものが、そうでもないと思えてきますね。
※記事後編に続く
(構成:江口和孝、撮影:大澤誠)
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