四季報を25年読破する人が語る「よい会社」の条件 優望企業は、5種類に分けられる!
「優良株」とは、稼ぐ力が強い企業の株です。安定的な経営・業績・売上・利益によって、着実な値上がりが期待できます。
中小型成長株では売上の伸びを見て成長性を測るのに対して、優良株は利益率を重視します。売上のうち、最終的にどれくらいの利益を残せるかを分析して、企業の優良性を判定します。
たとえば、他社に真似のできない技術をもっている企業は、その分野でライバルがいないオンリーワンの存在。価格競争に巻き込まれる可能性が小さく、安売りする必要がないため、安定的に利益を確保できます。また、業界でトップシェアをもつ企業や、ニッチな市場を独占している企業も安定的に稼ぐことができます。
「バリュー株」とは、株価が割安な企業の株です。
割安の定義はさまざまありますが、本稿では、自己資本や企業が保有している現金や不動産などの資産の価値に対して、株価が割安な株(資産バリュー株)を指します。このタイプの株はすでに株価が割安の状態となっているため、それ以上に値下がりするリスクが小さく、株価下落によって損をする可能性を抑えたい人に向いています。
長く株をもちたい人に向いているのは
ただ、割安だからといって投資家に買われるわけではありません。「カタリスト」(株価上昇のきっかけ)がない割安株は「万年割安」の状態で放置されます。そのような株を避けつつ、株価の値上がりが期待できる割安な株を狙います。
「老舗株」とは、創業や設立から100年以上経っている長寿企業の株です。
このタイプは、時代や世の中の変化に適応する力と、数々の危機を乗り越えてきた実績があるため、資産運用の手段として長く株をもちたい人に向いています。
企業の業績は景気の影響を受けます。会社の歴史が長くなるほど、ニーズがなくなる、市場が縮小する、競合が参入するといったリスクも増えます。その結果、上場廃止や倒産に追い込まれて株価が0円になる会社もあります。
2020年に倒産した企業の平均寿命は23.3年でした(東京商工リサーチ)。会社の寿命は業界によって差がありますが、100年企業は平均の4倍以上も長生きしている会社であり、生き残っている背景には、景気に影響されにくい商品や事業モデルをもっている、時代の変化への対応力が強いといった理由があるはずです。その理由を四季報から読み解くことができるのです。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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