検索エンジンやSNS、テレビなどを通じて広告に触れない日はない。そんな広告に対して、最もお金をかけている上場企業はどこなのか。東洋経済オンラインでは、有価証券報告書の2020年9月期から2021年8月期までの1年間のデータを基に各社の広告宣伝費を調査した。まずは広告宣伝費が多い企業から順に並べたランキングをお届けする。
上位にはおなじみの大手企業が並ぶ結果となったが、新型コロナの影響やオリンピックの延期のインパクトは大きく、個別企業の広告費をみていくと減少傾向となった。金額を収集できたのは947社。1000億円以上の広告宣伝費をかける会社は上位の6社だった。
新型コロナの影響で広告費は減少傾向
1位はソニーグループ。2021年3月期の販管費に計上した広告宣伝費は2600億円だった。ただ、2020年3月期は3594億円の広告宣伝費をかけていて、前年と比較すると1000億円程度のマイナスとなっている。
2位の日産自動車も前年の2808億円から2325億円へと減少、3位のイオンも前年の2078億円から1705億円に減っており、上位3社とも金額を減少させていた。
一方、ランキング10位の任天堂は、ニンテンドースイッチ向けソフト「あつまれ どうぶつの森」などのヒット作が多く業績は好調だったことに加え、新型コロナによる巣ごもり需要が追い風となり、広告宣伝費を760億円から844億円に増加させていた。
知名度の高い大企業であっても、高いブランド価値を維持するためには、安定した広告宣伝費を必要としているようだ。前年より金額を減らした企業はあるものの、ランキングが一変するような大きな変化はみられなかった。
このランキングは、有価証券布告書の損益計算書および販売管理費の注記に記載される数値から収集している。販管費の内訳は販管費全体の10%以上を占める項目しか開示義務がない。企業規模が大きく、多額の広告宣伝費を費やしていても、財務諸表上には金額を公表していない場合がある。また、広告宣伝費と販売促進費が分けられない場合は、合計値を採用している。
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