世界のファンド大手「中国銘柄」投資にばらつき テマセクは「拼多多」を買い、高瓴資本は売り

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シンガポールの政府系投資ファンドのテマセクは、中国の低価格EC大手「拼多多」への投資を大幅に積み増した(写真はテマセクの中国語版ウェブサイトより)

海外に上場する中国銘柄の株価の調整が続くなか、世界的な大手投資ファンドの中国銘柄に対する投資姿勢に顕著なばらつきが生じている。投資ファンドがアメリカ証券取引委員会(SEC)に提出した2021年10~12月期のポートフォリオ報告書の開示情報から、そんな実態が浮かび上がった。

例えば、世界最大のヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエーツは、中国の電子商取引(EC)最大手、阿里巴巴集団(アリババ)のADS(アメリカ預託株式)を2021年10~12月期に買い増した。ブリッジウォーターの報告書によれば、2021年12月末時点の保有額は総額5億ドル(約578億円)超と同年9月末時点より3割近く増加しており、ポートフォリオの上位10社の一角に入っている。

その一方、ブリッジウォーターは新興EV(電気自動車)メーカーの小鵬汽車(シャオペン)および理想汽車に対する投資を縮小した。2021年12月末時点の保有額は、同年9月末時点より小鵬汽車が8.32%、理想汽車が7.51%それぞれ減少している。

これとは対照的な投資戦略を採ったのが、中国系投資ファンドの高瓴資本(ヒルハウス・キャピタル)だ。同社は2021年12月末時点の小鵬汽車の保有額を同年9月末時点の約5.5倍、理想汽車を同約4.6倍へと大幅に引き上げた。

ブラックロックは「アリババ」を買い増し

反対に、高瓴資本が保有額を引き下げたのが低価格商品を主力にするEC大手の拼多多(ピンドゥオドゥオ)だ。12月末時点の保有額は、9月末時点より一気に9割以上も減少した。

ところが、シンガポールの政府系投資ファンドのテマセク・ホールディングスは、高瓴資本とは逆に拼多多を大量に買い増した。 2021年12月末時点で、テマセクが保有する拼多多のADSは211万6500単位。これは同年9月末時点の2万6700単位の79倍超である。

また、テマセクは(ブリッジウォーターとは反対に)2021年12月末時点のアリババADSの保有数を同年9月末時点より6.65%減らした。とはいえ、アリババは依然としてテマセクのポートフォリオの上位10社に残っている。

本記事は「財新」の提供記事です

世界最大の資産運用グループであるブラックロックは、2021年10月から12月にかけてアリババADSの保有額を2.1倍に増やすと同時に、将来の値上がりに期待したアリババADSのコールオプションにも新たに投資した。

とはいえ具体的な金額で見ると、2021年12月末時点のアリババADSの保有額は7億6000万ドル(約878億円)にとどまる。この額は、ブラックロックが1年前の2020年12月末時点で保有していた203億ドル(約2兆3456億円)とは比較にならないのが実態だ。

(財新記者:井豫涵)
※原文の配信は2月16日

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