笠原健治・ミクシィ社長--ソーシャルネットという新たな空間が急拡大している
--ソーシャルグラフ(※)のプロバイダを標ぼうしている。その狙いは。
いまネットの世界ではソーシャルネットの空間が生まれて、非常に拡大している。従来のネット空間とソーシャルネットの空間は全く別の意味を持つものだと思っている。
従来は、2チャンネルのような掲示板も含めて、情報コンテンツが流れている空間だった。そこは、コンテンツの種類や内容が重要であって、誰がしゃべっているかというのはそんなに重要じゃない。大半の人にとっては、何かコンテンツを探す、という構造だったと思う。
それに対して、最近の流れは、人と人がつながる、そこで感情とかコミュニケーションが流通するという空間ができてきている。そこでは話の内容はそんなに重要じゃなくて、誰がしゃべっているかが重要。ある誰かとコミュニケーションしたいからアクセスする空間がソーシャルネット。ここがいま、強烈に成長し始めてきていると思う。
ミクシィは、そこでいろんなビジネスを展開していけるポテンシャルがある会社だと思っている。
ただ、ソーシャルネットのサービスを1から10まで全部展開するのは、非常に重く大変なこと。ネットサービスの何もかもやろうとするのは良い方法ではないと思う。
ソーシャルネットは非常に大きくなると思っており、そのときわが社が注力すべきは、「ソーシャルグラフ・プロバイダ」ではないか。主に人と人がつながる部分、そのつながりをより豊かに、居心地良くするにはどうすべきか。それに特化するということだ。
で、そのつながった先に何ができるのかは極めて重要だが、何をするかについては、極力、誰とでも一緒にやっていける体質を作りたい。その具体的な取り組みが、ミクシィ・アプリのオープン化であり、今回のAPI(※)の開放だ。