アップルは「iPhoneだけの企業」になった? 「一極集中&ハロー効果」が鮮明に

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iPad Airは薄型軽量化によって人気を博したが、その需要も長続きしなかった。iPad Air 2は、薄型化とTouch IDがメイントピックで大きな進化とは言えない。ライフスタイルの中で、「手で持ち運べる大画面」以上の特徴を訴求できなければ、iPhoneとの棲み分けや旺盛な需要の喚起は難しそうだ。

ホリデーシーズンには更なる飛躍も

2015年初頭には「純性アクセサリ」のApple Watchが貢献

市場はアップルの決算に対して高評価だ。2014年第4四半期決算発表後の取引となる米国時間10月21日の株価は、取引開始直後から急伸し、再び100ドル台を回復し、102.47ドルで引けた。2014年1月にアップルは株式を7分割しており、100ドル台というのは、2012年9月のiPhone 5発売時につけた最高値を超えるものだ。

次の決算発表は1月下旬に行われるとみられる。ここに含まれるのはホリデーシーズンのiPhone 6・iPhone 6 Plusの売り上げだ。強気の予測では6000万台の売り上げを見込む声もある一方で、これに生産が応えられるかどうかにも注目される。

Yahoo! Financeには、今回の決算を受けて、「アップルはiPhoneだけの企業になった(それでOK!)」という記事が掲載された。アップルの利益の7割がiPhoneから得ているものだと指摘している。一方で、iPhoneが他の製品を消費者に届けるパイプラインの役割をしているとの主張は、筆者が述べてきたものと一致する。

その上で、おそらく2015年第2四半期(1~3月)決算には、2015年初頭にリリースが予定されている「Apple Watch」が含まれてくることになる。これは単体で動作するものではなく、アップルが自らプロデュースする、れっきとしたiPhone向けのアクセサリだ。「iPhone企業」としてのアップルの戦略に向けてリリースされる初の製品となる。どのように作用するか、引き続き注目していきたい。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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