iPhone6、「大画面」に秘められた真の狙い クック世代のアップルはどこを目指すのか

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iPhone 6 から見える、アップルの他社戦略との違いとは(撮影:尾形文繁)

9月9日(現地時間)、アップルは「iPhone 6」シリーズとスマートウォッチ「Apple Watch」を発表した。あれから3週間以上が経過し、iPhone 6も無事発売され、多くの人の手元に届いたことだろう。

他方で、商品以外の側面でアップルが何を考えているのか、他社戦略との違いを分析した記事はまださほど多くない。今回は、発表会後様々な形で得られた情報を中心に、「アップルが今考えていること」を分析してみる。そこからは、「ティム・クック世代のアップル」の進む道も、今まで以上にはっきりと見えてくる。

アップルの今後を左右するディスプレー変更

当記事はプレタポルテ(運営:夜間飛行)の提供記事です

さて、まずはiPhone 6から行こう。

言うまでもなく、最大のトピックはサイズの変化だ。「デカすぎる」だの「尻ポケットに入れると折れる」だの、毀誉褒貶(というかディズり)も色々あるが、販売台数的にはきわめて好調だ。

9月22日、アップルは、発売から3日でiPhone 6シリーズの出荷台数が1000万台を越えたと発表した。転売による中国市場への流入といった難題もあったが、それが与えた影響はさすがに限定的と考えられるので、やはり人気が高い、と考えるのが自然だ。

iPhone 6で画面が大型化したのは、やはりAndroidのライバルが大型化したから、と考えるのが自然だ。別にそのことを、アップルも強く否定はしていない。ただし、現在に至るまでの間、画面の大型化傾向を意識していなかったのか、というと、そうではないようだ。

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