アップルは「iPhoneだけの企業」になった? 「一極集中&ハロー効果」が鮮明に
アップルは米国時間10月20日に、2014年第4四半期(7~9月)決算を発表した。その内容をまとめると、「継続的なiPhoneの成長によってアップルの成長は続いており、Macも好調。ところが減少が続くiPad」という、製品ラインの中での明暗がはっきりとした内容だった。
2014年第4四半期のアップルの売上高はおよそ421億ドルで、前年同期の375億ドルと比較して約12.3%上回った。また純利益は85億ドルで、こちらも前年同期から13.3%の伸び。利益率は38%と1ポイント向上している。製品ラインには大きく変動がないため、現状のビジネスを維持しながら市場を拡大させることで成長したことになる。
米国が最も大きな市場であることは間違いないが、それ以外の売り上げが約60%にのぼる。今回の決算を見ると、米国に加えて欧州での成長が目立つ一方で、アジア太平洋地域ではかろうじて中国と日本がプラスに転じたほかは、マイナス成長となった。
もちろんアップルの製品上の原因だけでなく世界経済の動向にも関係する。例えば日本を含むアジア太平洋地域では、対ドルに対する通貨安の傾向もあり、Aアップルデバイスの国内販売価格の相対的な上昇や、売り上げに対するドルでの評価減も、今後影響してくるのではないだろうか。
継続的な成長を、iPhoneが牽引
アップルの継続的な成長を牽引するのは、引き続きiPhoneだ。2014年第4四半期に、iPhoneは3927万を販売し、前年同期と比較して16%販売を伸ばした。この数字には9月19日に発売したiPhone 6・iPhone 6 Plusが含まれており、昨年のiPhone 5s発売よりも早い時期だったこともあり、より大きな台数の伸びを記録した形となる。
iPhoneのセールスは毎年、10月から12月のホリデーシーズンを含む第1四半期に最大化し、1月〜3月期は2番目に多く、デバイスの4月〜6月期が最も少なくなり、新製品が含まれる7月〜9月期が2番目に少ない、という推移をする。ピークに達するホリデーシーズンの四半期の成長率は低下しているが、それ以外の四半期は継続して10%以上の成長を維持している。
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