コロナ危機の社会への影響として、婚姻(結婚)数や出生数の低下が考えられる。感染回避のために人と人との接触機会が減少していることは、若い世代の間で出会いの機会が損なわれていることも意味する。結婚・出産の意思を左右するといわれる経済状況も、コロナ禍で悪化し回復には時間がかかる可能性がある。コロナ禍における婚姻数と出生数の推移を整理し、今後の展望について仮説的に考察したい。
重要ポイントは以下4点だ。
コロナで婚姻はどれほど減ったのか
婚姻数や出生数がコロナ危機前から減少傾向にあることは広く知られている。こうした減少トレンドに対して、コロナ禍が始まって以降の婚姻数や出生数はどう変化したのだろうか?
人口動態統計(確定値)によれば、2020年の婚姻数は52.6万組であった。これは、過去10年間の下降トレンドに従った場合の婚姻数に比べて5.0万組(8.7%)低い(図1)。
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