藤井アナが「うす味」の言葉選びをする2つの理由 日常生活や会社で応用できる「心をつかむ」極意

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これを、日常生活や会社での会話などに当てはめてみると、どうなるでしょうか。

例えば、なかなか成長しない後輩に対して「もっと勉強しろ」と言いたくなる場面があるとします。しかし、このままでは味が濃すぎて、相手は絶対に受けつけませんし、後輩が動きだすエネルギーにはならないでしょう。

では少し味付けをうすめにしてみて、「そろそろ勉強したら?」と言い換えてみます。ただ、こうしてみても、勉強しようとしていない相手には決定打とはなりません。

さらに、もう少しだけ味をうすくして「勉強するには、いいタイミングなんじゃない?」と言い換えてみます。「いいタイミング」といった、旨味のある言葉も加えてみました。これならば、相手が動き出してくれる可能性はありそうです。こういった言い換えは慣れるまでは難しいでしょうし、いざ一人で考えようとすると、なかなか言葉が出てこないと思います。

そこで、私がいつも頭に置いているキーワードを2つお伝えします。

次は言葉の味付けをしてみる

「指示から提案へ」

「ウイットとメリット」

今の例で言いますと、

 勉強しろ(指示)
  ↓
 勉強したら?(提案)
  ↓
 勉強するにはいいタイミングじゃない?(提案+メリット)

コロナ禍で店員さんがひどい扱いを受けないように呼びかけた例で言いますと、

 優しく接してください(指示)
   ↓
 優しく接しませんか?(提案)
   ↓
 神対応でお願いします(提案+ウイット)

キーワードに従って言葉を探すと、同じメッセージでも伝わり方が変わってくるから不思議です。これは伝わる仕組みの1つです。

一方で、ある程度信頼関係が築けている相手の場合は「味のカスタマイズ」をするのもいいと思います。この人は濃い目のアドバイスのほうが動き出せるタイプだなとか、この人には、さらにうすめの味付けが効果的だ、といった感じです。

味付けの再確認は普段から忘れないようにしたいところ。常連が相手だとしても、勘違いやすれ違いがおきないように、丁寧に味を確認したいですね。

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