医師290人調査!「わが子にワクチン」打つかの本音 基礎疾患の有無や重症化リスクをどう考える?
今回のワクチンも大人の3分の1に減らした量が投与されるため、副反応の現れ方も大人とは変わってくるという。
「子どもの場合、副反応で発熱する割合が臨床試験では10%を切っています。倦怠感を感じる割合は4割ほど。大人と変わらないのは『局所反応』といって、注射を打ったところが痛んだり腫れたりする副反応。大人と同じぐらいの割合で起きるでしょうが、1日か2日で治まります」(村上さん)
重症化しても打つ手なしの現状
子どものコロナワクチン接種の賛否に「いいえ」と答えた人の中には、「子どもは重症化しないから」と回答した人が目につく。「重症化しない小児に、重症化予防が主な目的のワクチンを打つ意義がどこまであるのか」(神奈川県の男性=37)という声も聞こえてくる。
一方、「重症化しないといっても、海外では実際に亡くなったケースもある。心配だから自分の子には接種させたい」(埼玉県の女性=46)と回答する人もいて、判断に迷うところだ。
「重症化しにくい子どもへの接種を急ぐより、高齢者や基礎疾患がある人のブースター接種に力を注いだほうがいいという意見もあります。ただ、一定割合で重症化する子どももいます。
とくに気をつけたいのは基礎疾患がある場合。ぜんそくや糖尿病、がんの治療や臓器移植を受けたケースなどです。肥満も基礎疾患の1つ。肥満度を判定する『ボディマス指数』(BMI)で30以上が肥満と定義されています。身長から100を引き、それに17を足した数字がBMIの体重。それ以上あるという人は要注意です」
村上さんによれば、基礎疾患がある人は、体内でつねに炎症が起きている状態だという。そこへコロナ感染すると免疫がウイルスを撃退しようと反応、さらなる炎症を引き起こし重症化してしまう。
「昨年から重症化を防ぐコロナ治療薬『モルヌピラビル』が国内で使用され始めましたが、対象年齢は18歳以上。つまり基礎疾患のある18歳未満は重症化予防に関して、現状では打つ手がないのです」