韓国「キンパ」が日本でこんなにも浸透したワケ 今年は「キンパの恵方巻」も人気の予感
40代後半、IT会社勤務の中山亜子さんは今年、キンパで恵方巻を作ることにした。去年、娘たちに「うちは恵方巻を作らないの?」と言われたからだ。しかし、日本の太巻きは、かんぴょうやシイタケを戻してから煮るなど手間がかかる。ひな祭りのちらしずしは作ってきたが、太巻きは作ったこともなかった。「味がぼんやりしているので、子どもは食べてもテンションが上がらないかもしれない」と、中山さんは話す。
代わりにキンパを選んだのは、中学1年生の長女が1年ほど前からK-POPにハマり、好きなアイドルが気に入っているからと、韓国の袋めんなどを欲しがるからだ。以前無印食品の冷凍キンパを買って家族で食べたら、おいしかったこともある。
中山さんは、「キンパは味噌が入っているなど、味付けが濃くて子ども好み。ナムルも肉も入っていてボリュームもあるので、子どもの体にもいいと思う。以前もコストコの人気味付き肉のプルコギビーフで、なんちゃってキンパにしたら喜ばれた」と話す。
各地でキンパ専門店も増えている
2010年代の終わり頃から、チーズタッカルビ、チーズドックなどの若者のトレンド料理から、ソルロンタン、サムゲタン、スンドゥブチゲなどの定番料理まで、さまざまな韓国料理が流行っている。
キンパについては、2016年頃にナチュラルローソンで、2018年にローソンや無印良品で発売が始まるなどして人気が高まっていた。無印食品では品切れになる、と話題を集めるほどだ。近年は専門店が各地に増え、ほかのコンビニでも販売されるなどしたからか流行が加速している。
クックパッドの食の検索データサービス「たべみる」によると、キンパのキーワードで検索する数は2016年以降上昇を始め、次第に加速して2020年に大きく伸びた。2021年には2015年の5.9倍にまでなっている。恵方巻との組み合わせは2010年以降検索されているが、大きく伸びたのはコロナ禍だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら