韓国「キンパ」が日本でこんなにも浸透したワケ 今年は「キンパの恵方巻」も人気の予感

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

キンパと恵方巻を組み合わせた検索は、2018年に比べ2021年は約2.7倍、キンパと節分の組み合わせはコロナ禍で急上昇し、約15.7倍にもなっている。流行が加速したところで、節分にキンパを作る傾向が一気に高まったと言える。

今年、恵方巻としてのキンパを推すのは、京都を拠点に各地で展開するサムギョプサル専門店「ベジテジや」。2006年に1号店を開業し、2021年にはリニューアルも含めて8店舗開業、12店舗に増えた、今勢いがあるチェーン店で、台湾にも進出している。「韓国料理店も増えたので、その中で埋もれないようにサムギョプサル専門店としてアピールしたい」と、運営会社ゴリップ広報の金栄鶴(キム・ヨンハ)氏は話す。

京都発のベジテジやは、東京では下北沢(写真)や学芸大学など、あえて新大久保ではないところに店舗を出している(撮影:梅谷 秀司)

以前から同ブランドでは、さまざまな仕掛けをしてきた。昨年は薄切りの生の豚肉を花のように巻いたサムギョプサルカーネーションを母の日に、始めたばかりのインターネット通販で販売する。すぐにテレビで紹介されたこともあり、1日200セットも売れる人気に。メニューも頻繁に変え、ハーブ入りや、韓国でもポピュラーなワインに漬けたもの、カルボナーラ、スペイン風など、さまざまに味を変えたサムギョプサルを開発する。

テイクアウトやデリバリーでキンパが人気に

今回の恵方巻も、サムギョプサル専門店としてアピールする企画の1つ。通常は牛肉入りで、858円(税込み)で販売しているが、恵方巻用はサムギョプサルの豚肉とサンチュを入れ、たくあん、卵などキンパ定番の材料が入って880円(同)。1月20日から31日に店頭や電話で予約したものを、2月3日に店頭で受け取る仕組みだ。同ブランドのウェブサイトや店頭のポスター、インスタグラムやフェイスブック、会員制の公式ラインアプリなどで告知し、主に来店客から注文が入っている。

ベジテジやの恵方巻キンパのポスター(編集部撮影)

セントラルキッチンのある京都には在日コリアンが多いこともあり、韓国食材が手に入りやすい。味付けは韓国出身者が担当するなど、本場を知る製造スタッフがいることも、同社の強みである。

ベジテジやでキンパを推すのは、コロナ禍でテイクアウトやデリバリー事業を始めたところ、緊急事態宣言などで来店が制限される中でも、中食がキンパを中心に非常によく売れた結果、新店舗を含めたブランドの売り上げが100%以上伸びたからだ。

次ページなぜ韓国料理やキンパが人気に?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事