「結婚する男女の激減」が招く日本の恐るべき末路 2020年の婚姻数は戦後最少の52万5490組
問題は、この先どうなるかです。壊滅的な事態にもかかわらず婚姻数の減少があまり話題にならないのは、厚生労働省が2020年の減少を特殊事情によると説明している通り、「コロナによる一時的な現象で、コロナが終息すれば戻るでしょ」という認識だと思われます。
しかし、この認識は間違っており、婚姻数の減少はむしろこれからが本番です。まず、婚姻数は長期的に減少傾向にあります。2000年に79.8万組、2010年70.0万組、2020年52.5万組と減り続け、1970年の102.9万組から半世紀でほぼ半減しています。独身志向が高まっていることやそもそも少子化で結婚適齢期の人口が減っていることなどが原因です。
出会いの機会もコロナで激減
そして、この2年間のコロナに対応した生活様式の変化が、減少トレンドに追い打ちをかけています。結婚するには、まず男女の出会いが必要ですが、コロナ対策のイベント中止やテレワークの普及で、出会いの機会が激減しています。
結婚に至るには、出会うだけでなく、カップルになる必要がありますが、マスクで顔が見えない相手のことを好きになるでしょうか。飲食や旅行を制限されて愛が深まるでしょうか。将来の収入を見通せない状況で「結婚しよう!」という気になるでしょうか。
男女が出会ってから結婚するまでの平均交際期間は、4.34年(国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」)です。コロナが終息した直後の年は50万組台を回復するかもしれませんが、2019年までに出会っていたカップルの結婚がピークアウトし、コロナ時代になって出会ったカップルの結婚が主流になると、2025年以降、婚姻数は再び激減します。
長期的には、コロナ終息後にどこまで元の生活様式に戻るかが焦点です。多くの企業でテレワークが定着していることから、完全に元通りになることはないでしょう。これらを総合すると、2030年頃には40万組を下回ることになりそうです。
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