二流の「有料メディア」に騙されない、選び方3秘訣 わざわざ「お金を払う」なら、ここがポイント

拡大
縮小

1つめのポイントは、「『本物の専門家の知識』があるメディアかどうか」ということである。

【ポイント1】「本物の専門家の知識」があるメディアか

ネット時代になって素晴らしかったことの1つは、「SNSで専門家の発信を読めるようになったこと」である。しかし、テレビなどでは専門家と名乗るコメンテーターが解説してくれる場合もあるが、「本物の専門家」とは限らず、たんなる門外漢だったり、情報が古い人だったりすることも多いので注意が必要だ。

また、「本物の専門家」は忙しかったり、あるいは自分の理論の一部だけを切り取られて報じられるのを嫌がったりするので、案外とテレビ出演に消極的なことが多いのである。

「メディアの専門性」という視点が重視される

それに対して、SNSやブログでは「正真正銘の専門家」が記事を書いてくれている。しかし、非専門家であるわれわれには、そのブログを書いている専門家が「本物の専門家」かどうかを確認するのはじつはけっこう難しい。

それを確かめるのには、SNSで「専門家の群れ」をウォッチする必要がある。そこで、「メディアの専門性」という視点が浮上してくる。

たとえば「外交・安全保障」という分野で考えてみよう。わたしはこの分野の専門家ではないので、誰が正真正銘の専門家なのかを知る能力は高くない。「日本人で信頼できる外交・安全保障の専門家の名前を挙げよ」と言われれば、数人ぐらいはリストアップできるが、その人たちだけに頼っていると情報不足になりかねない。

そこで、「外交・安全保障の分野で信頼できるメディア」を押さえておきたい。わたしがたどり着いたのは、アメリカの外交問題評議会という団体が1922年に創刊した伝統ある雑誌『フォーリン・アフェアーズ』である。日本語版の『フォーリン・アフェアーズ・リポート』も出ている。

世界中で起きているさまざまな事象を丁寧に分析しており、専門家のあいだでも評価の安定しているメディアだ。もちろん視点はアメリカ中心であるというバイアスはあるが、そのバイアス込みでも非常な信頼感がある。

このように、「本物の専門家の知識」があるメディアかどうかが重要になってくる。

次ページ「日本のメディア」だけで大丈夫?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT