山口征浩CEOはメタバースを「テクノロジーで拡張された知覚によって、認識可能になった新しい世界」と捉えているという。「メタバースとはこうあるべき」という既存のカテゴリーにとらわれることなく、人間を中心とした知覚拡張を重視したサービス作りに勤しんでいる。
ARやMRで現実世界を拡張しようというアプローチは以前から進められてきた。しかし、別途スマートフォンが必要になるとはいえ、VRヘッドセットよりも軽量で扱いやすいメガネサイズのAR/MRグラスをアップルやメタ(Facebook)が開発に乗り出し、今後発売されると予想されている現在、AR/MRとVRを融合しようという新たなメタバースであるSTYLYへの期待感が高まってきた。
現地にいながら自宅にいるユーザーとも会話できる
STYLYのコンテンツは国土交通省がオープンデータとして提供している日本全国の3D都市モデルを用いて、現実世界そのままの形状を持つ仮想空間内にさまざまな情報やグラフィックを設置することで作れる。2021年12月時点で東京・大阪・名古屋・札幌・福岡・京都の3D都市モデルが利用可能で、今後は国内、国外ともに対応都市を増やしていく。
都市をまるごとジャックしたような見栄えのコンテンツが作れるのが魅力だ。企業だったら自社の広告を、クリエイターだったら自分のキャラクターやアートを自由に設置できる。都市スケールのAR/MRライブも開催できる。仮想空間内にいるアバターの姿も映し出し、現地にいる人と自宅にいる人が共に街を散策しながらコミュニケーションができる機能もある。
プロジェクターで現実空間にさまざまな情報を投影する手法としては、プロジェクションマッピングが一般的だ。しかしプロジェクターを使うため日が落ちてからの暗くなった時間帯でなけれは利用できないし、プロジェクターを設置する場所、投影する場所の許可取りも必要だ。
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