「VR日産ショールーム」に見るメタバース広報戦略 10年後はメタバースでの発表会が主流に?

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日産自動車は11月4日、VR上にバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」を公開した(筆者撮影)
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VRヘッドセットを用いてアクセスし、3DCGで描かれたバーチャル空間内を自由に歩けるソーシャルVRプラットフォームのVRChat。アメリカ・サンフランシスコの企業が提供するメタバース(主に3次元のデジタル仮想空間サービスのことを指す)の1つで、フェイスブックが社名をメタと変えるはるか以前の2014年よりサービスを提供している。

VRChatにはワールドと呼ばれる数多くのバーチャル空間があり、一定時間プレイしたユーザーであれば誰でも自作のワールドを公開できる。その1つに、日産自動車が11月4日に公開した「NISSAN CROSSING」がある。

銀座4丁目の交差点にある日産ギャラリー「NISSAN CROSSING」をそのまま再現した、デジタルツイン(現実世界の建築物などをデジタル仮想空間内で再現する技術)なスペースだ。

営業時間は24時間365日

ここはNISSAN CROSSINGのあるGINZA PLACEの建物だけではなく、銀座4丁目の交差点もリアルに描かれているバーチャル空間。モノトーンではあるが、銀座三越や和光本店のようなビルも存在する。リアルな銀座の気配を感じとることができて、VRツーリズムの可能性もうかがえる。

VR上のNISSAN CROSSINGの営業時間は24時間365日。常時開店していて、いつでも訪れることができる。

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ショールーム内に展示されているのは、まもなく発売予定のEV SUV 日産アリアだ。車両の開発時に使われたデータを元に製作されたもので、どの角度から見ても実物そのものだ。

現在、メタバース空間を活用して企業のショールームが作れるサービスが増えてきている。バーチャルSNSのcluster(クラスター)や、バーチャルプラットフォームのF8VPS(フォーラムエイト)など日本発のサービスはスマートフォンでもアクセスできるようなシステム設計がされており、ユーザーを選ばないというメリットを打ち出している。

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