5代目と6代目の相違点、ステップワゴン新旧比較 ユーザーの声を大切に原点回帰した新型の狙い

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新型ステップワゴンの3列目シート(撮影:尾形文繁)

新型では、3列目シートからの視界や座り心地に関するアップデートも行われた。まず、着座位置は、シートクッションの厚みを増すことで3列目がもっとも高くなるように設定。また、水平基調のベルトライン(サイドウインドウの下端)と、ウインドウ上端を平行になるように配置することで、先代と比べ、すっきりとした視界を実現する。これにより、3列目シートの乗員が、移動中に乗り物酔いなど気分が悪くなることが減る効果もあるという。

新型ステップワゴンの運転席まわり(撮影:尾形文繁)

運転席では、車両を道路脇に寄せたり、駐車したりする際に車両の一部が定規になるような工夫を施した。ホンダによれば、これは女性ドライバーなど、感覚でクルマの操作をすることが苦手なドライバーに向けたものだという。つまり、クルマの操作をする際に、ウインドウ下端などを目印にしやすくするための工夫だ。

より具体的には、水平基調のインパネやベルトラインを採用し、クルマの操作時にそれらが目安になりやすいようにした。また、ボンネットフードの先端も見やすくし、とくに狭い場所での操作性を向上させた。加えて、左右のフロントピラーを70mm手前に移動させ、三角窓の形状を変更することで、交差点などの右左折時でもピラーが視界を遮りにくい形状を実現。歩行者や障害物などを可能な限り発見しやすくし、安全性の向上に貢献する。

なお、新型のメーターは、先代が一般的なミニバンに多い運転席奧のインパネ内蔵タイプだったのに対し、新型ではステアリング奧に配置するタイプに変更。また、シフトレバーは、エアーがオーソドックスなスティックタイプなのに対し、スパーダでは先代と同様にスイッチ式を採用している。

わくわくゲートを廃止し、一般的な跳ね上げ式ゲートに

先代モデルで採用された「わくわくゲート」(写真:本田技研工業)

先代ステップワゴンでは、テールゲートが橫と縦の両方に開く「わくわくゲート」も特徴のひとつだったが、新型では廃止された。この方式は、例えば、一般的な縦開きのテールゲートでは、車両後方に開くスペースがない場合も多いため、そういった際に橫開きすれば、荷物の積み卸しなどを楽にできるというものだ。橫開きの開口幅は3段階に設定されており、駐車場などの状況に応じてゲートの突出量を調整することができる。また、一般的な縦開きも可能なため、車両後方に広いスペースさえあれば、重い荷物などの積み卸しなどに最適だ。

次ページ価格は未発表ながら原点に立ち返った使いやすさが魅力
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