5代目と6代目の相違点、ステップワゴン新旧比較

ユーザーの声を大切に原点回帰した新型の狙い

2001年にデビューした2代目ステップワゴン(写真:本田技研工業)

その後も同モデルは、2001年登場の2代目、2005年発売の3代目など、基本コンセプトを同じくしながら、アップデートを行うことで市場を牽引。他メーカーもステップワゴンを追うようにFFレイアウントと、ゆったりとした3列シートを採用した競合車を発売することで、ミドルサイズミニバン市場における覇権争いは一気にヒートアップしていった。

先代モデルにあたる5代目ステップワゴン(写真:本田技研工業)

だが、2015年に登場した5代目にあたる先代モデルは、他社モデル相手に苦戦を強いられていた。例えば、業界団体の自販連(日本自動車販売協会連合会)が公表している登録車の新車販売台数ランキングでは、2021年(1~12月)にもっとも売れたミニバンはトヨタのラージサイズモデル「アルファード」の9万5049台(全体の4位)。競合車では、トヨタのヴォクシーが7万85台(全体の9位)、日産のセレナが5万8954台(全体の11位)、トヨタのノアが4万4211台(全体の18位)だ。対して、ステップワゴンは3万9247台(全体の19位)と、ライバル車の中では最下位だ。発売されて7年近くが経ち、モデル末期であることもあるが、かつて同ジャンルを牽引してきたホンダの売れ筋だけに、近年の販売台数には寂しささえ感じてしまうほどだ。

新型ではエアーとスパーダの2グレード展開

新型ステップワゴン スパーダ(写真:尾形文繁)

こう考えれば、新型ステップワゴンは、ファミリー層向けのミドルサイズミニバン市場において、ホンダが起死回生を狙い投入した戦略モデルであることは間違いない。それは、設定グレードの構成を刷新したことにも表れている。先代が「標準モデル」と上級エアロ仕様の「スパーダ」を設定していたのに対し、新型では「エアー」というグレードを新たに用意した。ホンダの開発者によれば、先代モデルは、近年の高級志向もあり、より上級というイメージの「スパーダに人気が集中していた」という。より安価な標準モデルの不人気が販売面で苦戦した要因のひとつだったようだ。

新型ステップワゴン エアー(撮影:尾形文繁)

そこで新型では、高級感を演出したスパーダを残しつつ、シンプルでクリーンなイメージを持たせたエアーを並列グレードとして用意することで、新たな需要を狙う戦略をとったという。とくに新型のメインターゲットである30~45歳の子育て世代は、ホンダの分析によれば、子どもの頃からミニバンに慣れ親しんだ世代であるとともに、さまざまな用途に気兼ねなく使えるクルマを求める層だという。新設定されたエアーは、従来人気が高いエアロ仕様のスパーダを求める層以外の、新しい価値観を求める別のユーザーへ訴求するためのモデルなのだ。

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