新型では、先代と比べ、シートアレンジが豊富なことも大きな特徴だ。とくに2列目シートは、従来の前後スライドに加え、橫スライドも可能となった。この機構は、ホンダでは「オデッセイ」、ライバル車でもノア&ヴォクシー、セレナにはすでに採用されているものだ。ミニバンに乗るファミリー層では、夫婦ともにクルマを運転する家庭も多い。
例えば、夫が仕事などで外出中に、妻が子どもをクルマに乗せて買い物などに出かけるといったケースが考えられる。そういった際には、2列目の左側シートにチャイルドシートを設置して小さい子どもを乗せれば、停止中などに運転席から子どもの世話がしやすい。そして、その際に左の2列目シートが前後だけでなく橫(内側)にもスライドすれば、運転席と子どもが乗る後席との距離が近くなり、小柄な女性でもより世話がしやすくなる。ホンダでは、先代モデルにはこういった機構がなかったことも、販売面で苦戦した理由のひとつだと分析している。
2列目シートの自由度が拡大
なお、新型では、2列目シートの橫スライド量を右側で75mm、子どもを乗せることが多い左側はより移動量を増やした115mmに設定。加えて、前後スライド量もシートをもっとも外側にした場合で610mm、もっとも内側にした場合には865mmを実現。先代モデルでも好評だった3列目シート左右が別々に床下収納できる機能は新型でも継承されるため、これら機能を合わせると、例えば以下のようなシートアレンジが可能だ。
2:ダブルお世話モード
3:2・3列目フルフラット
4:2列目フルフラット
1は、先述した2列目の左側シートを前方・内側にすることで、運転席から幼児などの世話がやりやすくなるモードだ。2は、小さい子どもが2名いる場合のモード。例えば、右側の2列目と3列目にチャイルドシートを設置しそれぞれに子どもを乗せ、左側の2列目に大人が乗る。大人が乗る2列目シートは、後方に下げて内側に寄せることで、右2・3列目に乗る子どもに手が届きやすくなる。3は、2列目と3列目をフルフラットにし、小さい子どもを含む4~5名の家族全員がくつろげるモード。4は、3列目シートを床下収納し、2列目シートを後方一杯にロングスライドさせることで、夫婦など大人2名がゆったりと橫になれるモードだ。
ちなみに2列目のシートベルトは、先代が後方のピラーにセットされていたのに対し、新型ではシート内蔵タイプに変更されている。これは、2列目シートのチャイルドシートに子どもなどを乗せたままでも、3列目シートからの乗り降りをやりやすくするためだ。
また、先代モデルでもオプション設定されていた3人掛けのベンチシート仕様も同じくオプションで用意される。この仕様にした場合、乗車定員は標準のキャプテンシート仕様が7名なのに対し、ベンチシート仕様では8名の乗車が可能だ。加えて、上質な室内を演出する新型のスパーダでは、ゆったりと脚を置けるオットマンも新設定し、よりリラックスできる空間を演出する。
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