雇用契約から業務委託契約への変更を認めた会社
数年前、大手海運会社の課長職だった田代英治さん(当時44歳)は、上司に「独立したい」と申し出た。「次の異動先として、営業部門から声がかかっているぞ」と上司から伝えられて、転勤は困ると思った。田代さんは「退社」とは言わず「委託契約で会社とかかわりたい」と率直に申し出た。
当時、田代さんは2回目の人事部勤務。人事分野で自分の専門性を高めたいと考え始めていた。同時に会社外の人的ネットワークから、さまざまな刺激も受けていた。とりわけ自分も資格を取得した社会保険労務士で開業している人たちとの付き合いが面白く、刺激的であった。このため、当時は独立にも興味を持ち始めていた。
営業部門に異動しても楽しく仕事はできるだろう。ただ、このまま会社の辞令に従っていると専門性を持てず、人生を振り返ったときに後悔すると考えた。特に40歳を超えたあたりから、強くそう感じていたという。
子供が中学生だったので、当初、妻は難色を示したが、会社との関係は継続するし、一定の収入は確保できると説得。1年後に会社と業務委託契約を交わした。
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