今「会社での出世」はどうでもいいと納得できる訳 ライフシフト時代は「誰もが自己チュー」社会だ

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僕の友人が経営するVRの会社には、名前も姿もアバターのみで、お客さんの前にもアバターでしか登場しない「アバター新入社員」がいるそうです。一応、人事部だけは本人と会って、書類のやりとりもしているので、人体として存在することは確認しているようですが、社長は一度もその社員に会ったことがないそうです。

そもそもVRの会社ですから、それが彼らのリアル世界でもありますし、求められるのは仕事ができるかどうかです。そこさえクリアできていれば、むしろアバターであることが、会社の価値を証明していることにもなるわけです。

すでにこのような会社もあるのですから、どんどん試せばよいのではないでしょうか。引っ込み思案な人は、アバターでコミュニティーに参加してみれば、自分の意見をシェアできて、楽しいかもしれません。人前で話すことを恐怖に感じるのは、人間の基本機能です。テクノロジーでそこを解決できるなら、いいことですよね。

コミュニティーはフラットであるほうがいい

僕も、オンラインサロンを運営しています。オンラインサロンは、「情報提供系」と「居場所系」に二分されますが、僕のサロンは後者で、「あなたが何を言っても肯定します」というのを大前提にしています。

褒めてほしいことがあれば、書き込めるスレッドを立てていて、「バスで席を譲った」など、本当に小さなことでも、書き込みがあればみんなで褒めて、自己肯定感を提供するということをやっています。

子どもっぽいと思う方もいるかもしれませんが、意外とそういうコミュニティーはありません。いわゆる「心理的安全性」を確保することがグラウンドルールです。

コミュニティーは、大きくなると組織化しがちです。ヒエラルキーが生まれて雰囲気が悪くなるのです。コミュニティーは組織とは違って、フラットであるほうがいいですね。

そこでは、「僕を知っている」ということ以外にみんなの共通項はありません。オンラインですから、時間と空間の制約も取り払われていて、ロシア、シンガポール、ベトナムの人も参加しています。僕の知らないところで飲み会をやっていたりもするようです。

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