「メールを失くす社内SNS」のトークノート

B2Bスタートアップ特集<2>

苦い原体験を元に、小池氏は自らが欲しいサービスを作った。取材で社内の様子を見ても、かつてのように3カ月で社員が20人辞めそうな雰囲気はない。

筆者も複数の企業で働いた経験があるが、どの企業でもコミュニケーションが円滑に進まず、ギスギスした経験がある。事業の方向性を巡り他のメンバーとよく激しい議論になり、社内に「喧嘩禁止」と張り紙を貼られたことも実はある。

そんな時にトークノートがあれば、社内でのコミュニケーションがもっと円滑にいき、「喧嘩禁止」の張り紙を貼られることもなかったかもしれない。

トークノートが普及することで、より多くの企業内コミュニケーションが円滑に進み、業績が向上すると日本経済に良いインパクトを与えるだろう。社員を慮る優しそうな笑顔で、小池氏は虎視眈々とメールをも代替し得る社内SNSというポジションを狙う。 

【梅木雄平のスタートアップチェック】
●経営陣:3.9 失敗談をここまで赤裸々に取材で話せる経営者も珍しい。身を持って組織の重要性を認識し、事業に反映させている点が伝わってくる。地道に丁寧にサービスを伸ばしていく姿勢に好感が持てる。
●市場性:3.5 社内SNSという言葉自体に目新しさはなく、競合も複数存在する。Facebookグループで仕事を進める企業もあり、市場はレッドオーシャン気味といえる。社内SNSに変わるポジショニングのブランディングの浸透が成否の鍵を握る。
●利益率:4.1 法人向け月額課金モデルのため導入事業社数が増えると利益率は格段に上がっていく。
●競合優位性:3.8 IT業界ではチャットワークなどが競合になるが、非ITの分野に強い。飲食などでは小池氏の人脈もあってか、社内SNSといえばトークノートという気運があるようだ。
●海外展開力:- 現段階では海外展開の話はないため据え置き。
●総合点:3.7 登録事業社数の伸びが鈍化している点は気がかりだが、大企業を中心に導入が進めば、KDDIのような効果を実感し、手堅い収益化が見込めるが、少し時間がかかる事業といえるだろう。
●予想EXIT:2017年頃に上場
●EXIT時推定時価総額:約100億円
●推定根拠:2014年時点での推定売り上げは年商約2億円
●月商推定根拠:平均月額単価500円×導入企業数800社×1企業あたりユーザー数40名=1600万円
 3年後の2017年で4倍の成長と想定し、年商約8億円。月額課金なので利益率は上がる事業モデル。そのため広告宣伝費を抑えたと仮定し、営業利益率50%と推測。3年後の市況を予測し、PERは30倍程度と見て約100億円での上場と予測。

 (撮影:梅谷秀司)

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