「メールを失くす社内SNS」のトークノート B2Bスタートアップ特集<2>

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「あらゆる経営資源で勝っていたはずなのにジョブセンスに負けたんですよね。原因は会社がチームとして上手く機能しなかった。その一点に尽きます。飲食事業も引き続き経営していたので、飲食店経営と求人事業という全然違う業態を経営していて、社長は何を考えているかわからないと言われたことも。社員同士がお互いに関心を持つこともないし、協力もしない。なんとなく社内の空気が悪かったんです。そんな中、3カ月で社員が20名辞めてしまい、自分一人になってしまいました。経営力、コミュニケーション力のなさが招いた結果だと思っています」

圧倒的な経営資源を有しながら、学生起業のリブセンスに負けた。その時の経営の現場での原体験が、トークノート着想の起点となった。

最適なサービスがないから、自分で作った

 

会社を経営していく上では一人では何もできない。必ず、コミュニケーションは発生する。経営者としての自身のコミュニケーション力不足を実感した小池氏は、どんな事業をやるにあたっても、社内がチームとして機能しないと、経営は上手くいかないことを悟っていた。

「まず必死に社内コミュニケーションツールを探しました。『社内SNS』で検索しても当時は何も出てこない。メーリングリストやmixiのコミュニティ、ブログも使ってみましたが、社内コミュニケーションとしてどうも最適ではない。そこで、社内コミュニケーションを解決できるツールサービスを自分で作れないかと思い始めました」

2010年6月にリリースした初期のトークノートは社内コミュニケーション特化ではなく、交換日記のようなコミュニケーションツールだった。筆者も当時のサービスを使ったことがある。なかなか使い心地が良いサービスだと思っていたが、2011年9月に法人向けに特化することを発表した。

「利用者数が増えるとリアルタイムでデータ送信すると開発コストやサーバー代がかなりかさんでしまい、動きが遅いということでユーザーが少し離れてしまいました。サービスが重くなっても法人の方は使い続けてくれる方が多く、元々は社内コミュニケーションを円滑にしたいという想いもあったので、社内向けに特化しました」

2011年秋といえばLINEが流行の兆しを見せ始め、海外ではカカオトークなども流行っていた。一般ユーザー向けのコミュニケーションツールという土俵ではLINEなどと初期のトークノートは被っていた。そういった意味でも資本力のある大手との競争を避けるために、法人向けに特化したのは、振り返ると得策といえよう。

その後2014年9月までの3年で登録事業者数は1万3700社を数えるに至った。

トークノート事業数値
無料登録事業社数:約1万3700社(2014年9月時点)
有料登録事業社数:無料登録事業社数の5-10%
登録事業社分布:国内の会社規模とほぼ正比例
平均ユーザー課金単価:約500円
月額課金メニュー
  スタータープラン 380円
  レギュラープラン 980円
  エンタープライズプラン 1980円
予測平均1企業あたりユーザー数:約50人
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