食品スーパー「ライフ」、増税後も好調な理由 ライフコーポレーションの岩崎社長に聞く

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消費増税後も既存店売上げは順調だが、「うかれている場合ではない」と気を引き締めるライフコーポレーションの岩崎高治社長(撮影:尾形文繁)
消費増税後に低迷するGMS(総合スーパー)を尻目に、都心部の食品スーパーの販売が順調に推移している。首都圏、近畿圏で「ライフ」を250店弱を展開するライフコーポレーションは上期も客数、客単価が増え、既存店売上高が好調だ。増税後、消費者の購買行動に変化はあったのか。岩崎高治社長に話を聞いた。

 

――上期の既存店売上高は好調だった。

上期は既存店売上高が3.7%増で、首都圏が5%増、近畿が2.7%増だった。首都圏は従来から好調だったが、近畿もおかげさまでプラスになった。全体で客数が1.6%増、単価が2.1%増だ。

客数増の要因は、多少、増税で顧客の生活防衛意識が強くなり、価格の安いスーパーに来てもらっているのか、と思っている。コンビニよりも価格の面で優位性があり、この点で伸びているのだろう。点数は横ばいだが、一転して単価が3円伸びた。農畜産物の相場が上がり、単価が上がった影響が大きい。

月別の既存店売上高の推移(前年同月比)は、3月が10%増、4月2%減、そして5月からプラスに転じた。食料品、生活雑貨が5月から元に戻った。駆け込み需要のあった加工食品も上期トータルでは2%増だったが、衣料品だけは苦戦し、2.3%減となった。

うかれている場合ではない

――当初の想定が保守的だったのでは?

1997年の消費増税時は駆け込み、反動ともに約5%だった。前回は自然体だったが、今回は販促を強化した。3月は10%増で、(山が高かったので)どうなるかと思ったが、4月は2%減で済んだ。現金給与総額が3月以降プラスでお客様の自由に使える金が増え、スーパーにもフォローの風が吹いているかなと思う。

ただ商品の実質値上げがあり、賃上げがあっても購買力が低下しているとの指摘もある。デフレ経済の中では、現金給与総額と既存店売上高は一致していたが、今後、インフレ経済が進むと、必ずしも一致しないことがあるかもしれない。

――好調の要因をどう考えているのか。

奇をてらったものはない。今まで通り、基本を忠実にやっているだけ。品切れを防ぐ、店をきれいにする、商品力を上げる、美味しいものを作る、などをやっているだけ。ここにきてわれわれの力が急激に上がったなどとは思っていない。従業員が努力してくれていることはもちろんだが外部環境が大きい。うかれている場合ではない。

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