消える「ダイエー」、変容するイオンの統治 食品スーパーのブランド統合は進むのか
業績不振のダイエーの完全子会社化を決めたイオン。大手流通コングロマリットとして、グループの課題が鮮明になってきた。
ダイエーは今後、既存店の一部を新業態「イオンフードスタイルストア」に転換し、再建を進める。イオンの岡田元也社長は9月24日の会見で、「2018年ごろにダイエーの屋号はなくなる」と断言、グループ内で再編を進めるダイエー傘下の食品スーパーについても「近畿圏、首都圏ともに一つの名前に集約していく」と述べた。
スーパーの屋号統合は大きな戦略転換を意味する。これまでイオンはM&Aを通じ、規模拡大を図ってきた。だが、経営破綻した旧マイカルや旧ヤオハンを除き、経営統合した後も自主性を重んじたことで、結果的に1業種で屋号が乱立する状態を招いた。
屋号を整理する段階に来た
グループの食品スーパーでは主力の「マックスバリュ」に加え、「グルメシティ」や「フーディアム」「ピーコックストア」等々、あまたある。またディスカウントストア業態でも「ザ・ビッグ」「アコレ」「ビッグ・エー」が並び立っている。
岡田社長は「今後の戦いはeコマースであり、ブランディングが重要になる。多くのブランドに分かれているのは決定的に不利。グループ全体の屋号を整理する段階に来ている」と語る。経済産業省によれば、13年のeコマース市場規模は約11兆円と、08年の倍近い規模に拡大。イオンも根幹戦略の一つとして「デジタルシフト」を掲げ、ネットとリアルの店舗を融合させたオムニチャネル戦略を進めている。そのためにも、乱立した屋号を集約しブランディングを強化することが不可欠なのだろう。
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