三越伊勢丹とH2Oを分析する

百貨店が受けた消費増税のダメージはどれほどか?

日本の場合、賞与は貯蓄に回る傾向が強いですから、これが十分に消費を刺激するかは、未知数です。また、基本給はそれほど増えておらず、消費者物価が消費税増税の影響もあり前年比で3%以上上昇しているわけですから、8月以降も消費が回復するのは難しそうです。また、8月は天候不順もあったことが、消費に影響を与えています。

以上のことを考えますと、百貨店を含む小売業は、しばらく伸びにくい状況が続くのではないかと思います。

減収減益の三越伊勢丹 消費増税の影響は軽微だった

では、実際に百貨店の業績を見ていきましょう。まずは三越伊勢丹の平成27年3月期 第1四半期決算(2014年4〜6月)です。

損益計算書(7ページ)から業績を調べますと、売上高は前年同期より6.1%減の2846億円。やはり、駆け込み需要の反動減により、主に宝飾品や海外の高級ブランド品の売り上げが落ち込んだとのことです。

売上原価もそれに応じて落ちていて、6.1%減の2035億円。さらに販管費を少し絞り、本業の儲けである営業利益は40.1%減の63億円となりました。

三越伊勢丹に関していえば、消費増税の影響は、今のところ軽微だと言えます。この傾向がいつまで続くか。特に、7〜9月にかけてどれだけ回復するかが注目ポイントになります。

同社の発表では、7月以降も高額品の消費は弱いものの、暑い日が続いたことや、外国人観光客の増加が追い風となり、7月の既存店売上高は前年比0.9%増、8月は同1.6%増と、徐々に戻しているということです。次の決算では少し回復する可能性があります。

安全性はどうでしょうか。貸借対照表から、中長期的な安全性を示す自己資本比率(純資産÷資産)を計算すると、43.2%と十分高い水準です。業績自体は少し落ち込んでいますが、財務的には全く問題ありません。

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