全上場会社役員・出身大学ランキング トップ100校--慶應が12年連続首位
全上場会社役員の出身大学を調べると、慶應義塾大学が12年連続で1位であることが東洋経済の調査により分かった。
慶應大学は1999年の調査でそれまで1位だった東京大学を追い抜いてから、全上場会社の役員数2278名と首位を独走している。2位は早稲田大学1989名、3位は東京大学1935名となった。入学定員者数では早稲田大学を下回る慶應大学が他大学を引き離す理由としては、慶應大に定評のある「人脈力」も奏功していそうだ。
調査の概要は以下の通り。調査対象は全上場3672社の役員4万1642名。今年9月6日に発売した『役員四季報2011年版』にまとめるため各社にアンケート調査。うち、最終学歴の回答のあった2万7502名をもとに集計を行った(調査時点は2010年7月末)。
さらに順位を見ると、4位に中央大学1090名、5位京都大学1023名、6位日本大学721名、7位明治大学712名、8位一橋大学598名、9位同志社大学533名、10位大阪大学520名と続く。上位10大学の顔ぶれは3年前、2007年7月末時点の調査と比較して変わらない。
11位の神戸大学は、2007年の12位から1つ順位を上げた。別表のランキングでは、2007年と2010年とを比較して順位を上げた大学を上向き矢印と赤色で、下げた大学は下向き矢印と青色で、変わらない大学は横向き矢印であらわしている。
順位を上げたのは、神戸大学のほか、東京工業大学、横浜国立大学、東京理科大学と理系の大学が目立つ。順位を下げたのは、関西学院大学、専修大学、大阪市立大学などだ。
上位5大学の学部を見るとそれぞれの大学で、特徴があることが分かった。
1位の慶應大学は、経済学部卒の役員が37.8%と最も多い。法学部が27.9%、商学部が21.2%と続く。2位の早稲田大学は、商学部24.2%、政治経済学部23.8%、法学部23.7%と3つの学部で役員数が拮抗している。3位の東京大学は、2人に1人が法学部卒とやや偏っている。法学部は45.6%、経済学部は21.7%、工学部は18.2%だ(5ページ図)。
4位の中央大学も44%が法学部卒で2人に1人が法学部の計算だ。商学部が26.3%。経済学部が14.5%と続く。上位4大学では理系学部の影が薄いのに対して、5位の京大では理系学部が強い。法学部36.9%に続き、工学部が28.3%を占めている。他大学で強い経済学部よりも多くの役員を輩出していることが特徴的だ(6ページ図)。
ランキング表と各図から各大学の“役員輩出力”の傾向を読み取ることができるだろう。
(『役員四季報2011年版』編集部・山本亜由子 =東洋経済オンライン)
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