「円安なら株価が上がる」は本当か まじめに「円安と株価の関係」を考えてみた

✎ 1〜 ✎ 44 ✎ 45 ✎ 46 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
マーケットでは「円安=株高」は当たり前のように思われている。だが、よく考えてみると・・(ロイター/アフロ)

今日は、まじめに考えてみよう。

いつもまじめなのだが、ここでいう「まじめ」とは、行動ファイナンス的にではなく、いわゆる「ファンダメンタルズ」的に考えてみるということだ。

さて、そうなると、円安で日本株が上昇する、というのは説明がつきにくくなる。行動ファイナンス的に言えば、円安は日本経済にプラス、だから日本株上昇、という連想ゲームをみんながするから、円安となれば迷わず日本株買い、ということですべてが済んでしまう。

なぜ「円安株高」という連想ゲームが働くのか

しかし、「まじめに」考えると、なぜ、円安株高という連想ゲームが働くのかが問題だ。行動ファイナンスで考えれば、連想の理由はどうでもよく、皆がそう連想する、という連想が重要なのだ。

いったん、この連想の連鎖が皆に広がれば、自動的に連想の連鎖は広がり、続く。これがバブルであり、連想の根拠があろうがなかろうが、それがファンダメンタルズであろうがなかろうが、同じことで、すべてバブルなのだ。

ただ、いわゆる「ファンダメンタルズ」で考えてみることも重要である。なぜなら、前回の9月9日のコラム「私に『金融』を考えさせた『3つの事件』」で触れたように、金融の時代は終わり、実体経済の時代がやってきているからだ。

そうなると、連想ゲームは、金融だけの事情では起こりにくくなってくる。実体経済、いわゆる「ファンダメンタルズ」によって、金融市場は動かされる側になってくるからだ。連想ゲームが起こるとしても、「ファンダメンタルズ」が基礎、あるいはきっかけになるはずだからだ。

次ページなぜ「円高悪玉論」は半ば常識になったのか?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事