"低温発酵熱"こそが、社会を変えていく

コウノトリのまちが地味に進めたこと(下)

坂之上:「先進課題国」と言われている日本の回答のひとつを聞いているような気がします。誰かが全部解決してくれるって他人ごとにしていたところを、自分ごとにしていく。

中貝:そうですね、大人になるということだと思います。

坂之上:環境問題にしても反原発にしても、憲法でも、何にしても、純粋な人達がお互いを傷つけあっていて、結局なんだか、よい方向にいっていないような。

中貝:人の気持ちをよくよく観察していると、人の気持ちが変わるにはとても時間がかかるということがわかります。これはもう、必然なんです。

だから、「今すぐ」、「直ちにすべての」という主張をしてはいけない。そこはしんぼう強く待たないといけない。

白黒つけずに、移ろいゆく人の気持ちをじっと待つ

坂之上:人間関係って、家族でも職場でも、しんぼう……いりますよね。

中貝:気持ちが変わるようにいろんな働きかけをしながら、みんなの心が変わるまでひたすら待つ。だって、その人のハートに響いて、本人が自分で納得しなければ、人は動かないわけですから。

それをお前はもうダメだと中途半端なところで切ってしまうと、そこで終わりなんです。今まさに変わっている途中の人を、賛成してくれる人か、反対する人かって、白か黒かでとらえるのではなくて、「変わりつつある」というふうに見ていく必要があるわけです。

坂之上:「変わりつつある」という、グレーな途中経過を大事にするというということですね。

中貝:ずっと自分に言い聞かせてきたのは、いろんな矛盾は腹の中でじーっと抱えて、時の経過の中で解決するんだということでした。

坂之上:でも、なかなかわかってくれない人が邪魔したりすると、イライラしませんか(笑)?

中貝:しますよ、それは(苦笑)。早くわかってもらえるほうが嬉しいに決まってますし。

だけど、政治家として僕がやるべきことは、たくさんの人に働きかける方法を考えて、それをしたたかにやることです。そのうえで、しんぼう強く待つ。

坂之上:なんだかコウノトリの子育てと似ていますね。矛盾はおなかの中でじっと抱えて、ゆっくり時の経過の中で解決するのだって、いうお話、とても参考になります。

今日は深いお話、ほんとうにありがとうございました。

(構成、撮影:石川香苗子)

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