『モチベーション3・0』の著者、ダニエル・ピンク氏に聞く--才能より「やる気」が重要。大事なのは利益ではなく目的のために働くこと

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 たとえば、毎月初めに同僚で集まって、各自が今月の目標を掲げる。そして、月の終わりに再び集まって、互いの成果についてフィードバックすることで、仕事の熟練度を上げていく。こうした活動を行うのに、上司の許可は必要ないし、飲み会を一晩諦めれば時間をつくれる。小さい活動を積み重ねていくことが、大きな変化につながる。

--以前、日本に2カ月間滞在し、日本のマンガを研究したそうですが、日本マンガが米国で成功するために何が必要だと思いますか。

日本のマンガは米国でもっと売れると思う。「NARUTO」は今も人気があるし、最近米国で公開された「エアベンダー」は日本の漫画のようなスタイルの映画だ。ただ、もう少し米国人の好みに合うようにアレンジする必要があると思う。たとえば、25年前にスシ屋を米国で見つけることは困難だったが、今日では、クリームチーズの寿司など米国人の好みに合う寿司がたくさんある。日本人は嫌いだと思うが(笑)。

日本のマンガで面白いと思うのは、同人誌のように読者がマンガの制作やビジネスに参加できる仕組みがあるところ。ユーザーコンテンツをもっと活かせれば、よりビジネスが発展するかもしれない。

--最後に、次回作のテーマを教えてください。

まだ未定だが、興味があるのは高齢化だ。我々はまだこのテーマについて、十分に考えつくしてないと思う。もう一つは、GDPに代わる新たな指標について。GDPという従来の指標では、国の成功を図れなくなってきている。たとえば、もし私が自宅にセキュリティシステムを導入したら、警備会社は利益を上げ、米国のGDPは上昇する。しかし、セキュリティシステムを必要とする国がいい国とは思えない。
(聞き手 佐々木紀彦 =東洋経済オンライン 撮影:尾形文繁)


Daniel H. Pink●1964年生まれ。エール大学ロースクールで法学博士号取得後、ゴア副大統領の首席スピーチライター等を務めフリーに。世界の企業、大学等を対象に、ビジネス戦略の講義を行う一方、『ワシントン・ポスト』、『ニューヨーク・タイムズ』等に執筆。著書に『フリーエージェント社会の到来』等がある。

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