『モチベーション3・0』の著者、ダニエル・ピンク氏に聞く--才能より「やる気」が重要。大事なのは利益ではなく目的のために働くこと

『モチベーション3・0』の著者、ダニエル・ピンク氏に聞く--才能より「やる気」が重要。大事なのは利益ではなく目的のために働くこと

かつてアル・ゴア副大統領のスピーチライターを務め、現在はビジネス書界のカリスマとして名を馳せる、ダニエル・ピンク氏。右脳的思考の重要性を説いた『ハイコンセプト』は世界的ベストセラーとなった。最新刊『モチベーション3・0』では、創造的思考に不可欠な「新しいやる気の形」について記している。

--投資銀行のように、金銭的なインセンティブにより社員を働かせる手法を「モチベーション2・0」と呼び、その効果を疑問視しています。

教科書に沿って行うようなルーティンワークでは、金銭によるアメとムチはうまく機能する。しかし、右脳を使う仕事ではむしろ害になる。ハイコンセプト(芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、ばらばらな概念を組み合わせて新しい構想や概念を生み出す能力など)、ハイタッチ(他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力など)が求められる仕事では、「モチベーション2・0」は機能しないことが、科学で証明されている。

人間をアメとムチに反応して動くロバのように考えるのは、道徳的にも、ビジネスの効率性という点でも正しくない。世界で成功している組織の多くは、人間らしさを大事にしている。こうした考えを2007年に提唱しても、きっと受け入れられなかっただろう。だが、金融危機をきっかけに「これまでとは違う方法が必要だ」と人々が感じ始めた。

--創造的思考を促す手法として、社員の「自律性」「熟達」「目的」を強調した「モチベーション3・0」を提唱しています。グーグルやアップルがその代表例ですか。

グーグルは良い例だ。グーグルでは、20%ルール(勤務時間の20%を通常業務以外のことに使えるルール)など自律性を重んじる仕組みがある。グーグルには強い目的意識もある。数カ月前、グーグルの本社を訪れたとき、社員は「どうやって世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできるようにするか」について熱心に語り合っていた。

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