「会議睡魔」に襲われないための意外な3つの食材 脳のパフォーマンスを高める「低GI食」とは?
では実際に何を食べればいいのか。今回は、低GIの食品の中から具体的に取り入れやすい3つの食品をご紹介したいと思います。
まず、1つ目が「高カカオチョコ」です。とくにカカオ成分が70%以上含まれている高カカオチョコは、低GI食として有名な食品の1つです。チョコは甘くて血糖値が上がりそうと思われるかもしれませんが、主原料のカカオは食物繊維が豊富なため、血糖値の消化吸収を緩やかにして、その後の仕事がはかどりやすくなります。
また、2018年に日本で行われた「蒲郡スタディ」のリサーチでは、高年の男女347人に、カカオ成分72%の高カカオチョコを4週間にわたって毎日25gを食べてもらったところ、記憶を増強するBDNF(脳由来神経栄養因子)のレベルが優位に上がることがわかりました。
2020年に発表された世界的権威の科学雑誌『Nature』が運営する「Scientific Report」の論文では、カカオポリフェノールが豊富なココアの摂取後に、脳の酸素化反応が向上することが確認されたという報告があります。高齢者や認知症の方は酸素化反応が鈍るといわれていて、向上すると難しい問題の処理能力が高まるといわれます。
お米は冷めるとGI値が下がる
もう1つは、会議の前の昼食におにぎりなどの「冷めたお米」を食べることです。お米は糖質が高いと思われがちですが、冷めると「GI値」が下がるという特性があります。
その秘密は、レジスタントスターチという成分。これは、消化しにくいでんぷんという意味で、日本語では「難消化性でんぷん」といいます。
ブドウ糖がいくつも結合しているでんぷんは、加熱すると結合がゆるくなりますが、冷めると再結合のされ方が複雑になって、ブドウ糖に分解されなくなります。小腸に吸収されずそのまま大腸まで届くので、善玉菌のエサになったり有害物質を排出したりと、腸内環境を整えてくれるのです。そのため、レジスタントスターチは「ハイパー食物繊維」と呼ばれることもあります。このレジスタントスターチのおかげで、血糖値が低くなります。
このレジスタントスターチ、なんと、冷ますと増えるのです。炊きたてのお米を冷ますだけで、1.6倍に増えます。玄米おにぎりだと、さらにGI値は低くなるのでおすすめです。
もう1つ、ランチにとりやすいという面で考えると、そばもおすすめです。そばは主食の中では、低GIの食品の1つです。こちらも、レジスタントスターチのことを考えると、かけよりもりやざるなどの冷たいものを食べるとより効果が高まります。野菜など食物繊維豊富なものや鴨南蛮などタンパク質が含まれるものを最初に食べてから食べるとより一層、食後の血糖値は急激に上がりにくくなることも科学的に証明されています。
どうしても、白いごはんで定食が食べたいというときにも意識するとよいかもしれません。
そのほかにも脳によい30種類以上の食べ物やレシピがありますが、今回紹介した食材を上手に摂って、脳のエネルギー不足によって生じる「会議睡魔」を寄せ付けない、元気な脳を手に入れましょう。
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