色つきリップもある「メンズコスメ」好調続く背景 外出機会が減っているのになぜ売れているのか
女性ブランドからの参入や新ブランドの登場、既存ブランド内での商品数増加などに伴い、取り扱い商品数は2018年の450種類から、2021年は580種類まで大幅に増えた。
しかし、「メンズブランドはできたばかりの会社も多く、女性コスメと違って消費者も成熟していない。女性ラインほど展開数もなく、まだまだこれからの市場」(廣末氏)。そのため、ネットが主な情報源で、ネットで見たことのある興味を持った商品の現物を手に取って購入している人が多いようだ。
例えば、除毛クリームも、ユーチューバーのヒカキンが使い方まで動画で紹介したところ、もともと売れている商品だったが、売り上げが2倍に増えた。
「女性のマーケットは成熟しているのでそんなに大きな波はないが、メンズコスメは売り場開設当初からずっと伸びている。今20代の人たちはこのまま使い続けることになるだろうし、コロナ禍以降使い始めた30〜40代の人たちも、肌の調子がよくなったことでこの先継続して使い続けるだろう」(廣末氏)
色つきのネイルケアやリップも
この秋冬はさらに進化して、ネイルケアやリップも色つきのものが各社から続々と登場してしている。
「色つきのネイルはおしゃれに敏感な人向けだが、すでにTikTokerらが拡散するなど、認知も拡がってきている。リップは血色をよく見せるため、BBクリームと同様の位置づけだ。そもそも男性はメイクに関してはゼロからのスタートなので、なんでもチャレンジできる。男性芸能人でも美容について意識の高い男性が情報発信する頻度が増え、コスメそのものがジェンダーレスになってきている」(廣末氏)
成分は男女とも同じで香りが違うだけのもの、ユニセックスのものなども増えており、男女それぞれの売り場にダブル置きしている商品もあるという。また、店舗で男性用として売れているアイブロウがメーカーのECサイトでは購入者の8割が女性と、商品の性能で男女の境界はもはやなくなってきているものもある。
何より、パッケージもひと昔前のように、男性用の赤、青、黒などの強めの色を使っているものばかりではなく、白を基調としていたり、サステイナブルを意識しているなど、男女どちらでも使えるものが増えている。
「パッケージの見た目で気に入られなかったらそれで終わりなので、パッケージに対する考え方も以前とは全然違う。自宅の洗面台に置いた時におしゃれに見えるものが今やスタンダード」(廣末氏)
洗顔後のお手入れやメイクアップがスタンダードになる時代になっていくかもしれない。
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