気象予報士が解説「冬将軍」が使われる意外な基準

「ZIP!」出演のくぼてんきが冬の天気を語る

天気の疑問に気象予報士のくぼてんきさんが回答します(イラスト:freehand/PIXTA)
年末らしいピンと張りつめた空気の日が続き、雪の予報も気になるシーズンになってきました。知っているようで知らない天気の「ナンデ」をお子さんに質問されて困った人もいるのでは。冬の天気に関する素朴な疑問について、ボクが書いた本『くぼてんきの「天気のナンデ?」がわかる本』より解説します。

日本で一番寒かった日の気温は?

くぼてんきさん(写真:あさ出版提供)

日本で記録されている最低気温は、北海道旭川市の-41℃(1902年1月25日)。呼吸をしたら肺が凍ると言われるほどの寒さだから、外に出るのは危険。現在は、地球温暖化の影響もあってここまで下がる日はなく、下がっても-35℃ぐらい。でも、相当きびしい寒さであることは変わりません。外出可能な気温として考えるなら、服装にもよるけれど、-5℃ぐらいが限界かと思います。

天気予報で言う「冬日」は最低気温が0度未満、「真冬日」は最高気温が0℃未満。北日本ではよく使われますが、関東では、あまり使われません。東京だと、「冬日」は年間10日ぐらいしかないので、もしそんな予報を聞いたら、うんと寒くなることを覚悟して出かけましょう。

■「冬将軍」って何?

「冬将軍」は、時代劇に出てくるようなヒゲの生えた武将ではなく、シベリア寒気団やそれが原因となってもたらされる、きびしい冬の寒さのことをいいます。「シベリア寒気団」とは、シベリア大陸に秋から冬にかけて居座る、とても冷たい高気圧のこと。気温が低く乾燥した気団なので、その空気が日本にやってくると、日本海側は多くの雪が降って、太平洋側には冷たい北西の風が吹き荒れます。その呼び名は、フランスの皇帝・ナポレオンに由来します。

19世紀、当時最強と言われていたナポレオン軍がロシアのモスクワを攻めたとき、あまりのきびしい寒さに多くの兵が犠牲となり、敗北してしまったのです。そのことを、イギリスの新聞が「GENERAL FROST Shaving Little BONEY」(ナポレオンをやっつけた冬将軍)と書いたのが始まりだそうです。

毎年、冬将軍は日本に何回かやってきますが、どこからを「将軍」としてどこまでを「足軽」にするかは気象予報士次第。ただ寒いだけではなく、吹雪などで天気が荒れそうなとき、注意喚起のために使うケースが多いと思います。天気予報でこの言葉を聞いたら、最強の防備(防寒)で向かいましょう!

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