化粧品はお肌に浸透……しません!

むしろ簡単にしみこんだら大変なことになる

甲子園球場のバッターボックスから外野フェンスを1mmとしたら、球場の砂粒1つが1ナノメートル相当だって。どのくらい小さいかなんとなくわかるかな。なんかねえ、通常私たちが過ごしている世界観とは全く違うもんだから、理解しにくいんだよね、こういう単位の比喩ってば。とりあえず、「うわ、すごく小さいね」って思えたかなあ。

で、だ。20から200ナノメートルのポリスチレン粒子は(本文にはポスチレンとありましたが、原文にはfluorescently-tagged polystyrene beadsとありましたのでポリスチレンの間違いでしょう)、一切皮膚を透過しなかった、というのがこの記事の話でした。まあいつもの話だよ…皮膚はバリアのためにあるので、何らかの物質が簡単に皮膚を透過するんだったら、感染症にかかりまくり、触った物が体内に取り込まれまくりだもん。

簡単に肌にしみこんだら世界は大変なことになる

そうだなあ、もしも皮膚がいろんな物質を簡単に透過させるとしたら…大腸菌その他が体内に入っちゃうから、うっかりトイレでオシリも拭けないよ? というか、トイレ掃除が命がけになるね。

入浴剤とか使うと、多分蛍光塗料で染めたみたいに全身が染まるよ? 口紅使うと、クレンジングでも落ちなくなるよ? そして、食器洗い洗剤を使って食器洗いとか絶対無理。シャンプーで洗髪も出来ないな。

まあというわけで…ほぼあらゆる物質は皮膚を透過しないんだけども、例外的に皮膚を透過するものもあるんだよね。ある条件を満たすと皮膚を透過するのです。インドメタシンやボルタレンの塗り薬が筋肉の痛みを緩和するのはそのせいだからね。

さて、ああいう薬はなんで皮膚を通り抜けられるのか。

まずは、分子量が小さいこと。正常な皮膚の場合は、分子量500が皮膚を透過するかしないかの分水嶺になります。分子量ってのはなんなのかというと。…コレもめんどくさいんだけども。簡単に言うと、分子量は、分子を作っている成分の元素の、原子量を全部足したもの、です。えーっと、例えば。H2Oで水、なんだけど、コイツの分子量は、

Hの原子量は1.01 

Oの原子量は16.0

なので、

1.01×2+16.0≒18.0

となります。つーことで、水は皮膚を通り抜けられるんだわ。だから、お風呂に入り過ぎると水でふやけてくるでしょ。生きているカラダには、体液濃度を一定に保つ仕組みがあるから、ふやけきっちゃうことはないんだけどね。ちなみに、ヒアルロン酸は分子量100万前後、コラーゲンは30万前後。分子量が大きすぎて、皮膚は通り抜けられないよー。

次ページ分子量以外にも条件がある
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