フランス「年末の過ごし方」2年でこんな変わった クリスマスや大晦日、今年はどう過ごすのか

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エマニュエル:これも前に話したと思うけど、年末の時期には企業でもカクテルパーティーなどをして社員が年の終わりを祝うスピーチなんかをする。こうした行事も、コロナ以降ではずいぶん減ってしまった。というのも、企業はできるだけ会社内でのクラスター発生で非難されることを避けたいと考えているから。

こういう企業イベントの運営をする責任者の1人が最近言っていたのは、ここ2週間だけでもすでに460件ものイベントが中止されたということだ。イベントには装飾、受付、視聴覚メディア、清掃、警備など多くの中小企業の業者がかかわっていて、年末のイベントの中止はこういった業界にはとても大きな影響となり、特に、ケータリング業者が最も影響を受けている。

また、大きな企業にとっては、これが全社員やその家族にも会える唯一の機会だったのに、中止されてしまうことによって、組織の団結力を強めることができる大切な場がなくなってしまった。

日本でも同様なことが見られるのかな?

コロナ禍でも変わらなかった"悪しき習慣"

くみ: 日本でも新たなオミクロン株の影響で、主に企業の年末の大きな集まりは自粛する傾向が強いと報道されている。特に飲食を伴うと必然的に感染のリスクが高まるから、会社の忘年会という習慣もどんどん危機にさらされているかも。

エマニュエル:凱旋門の年越しカウントダウンも昨年は中止になったため、今年こそは、と思っていた人も多いと思うけれど、これも結局今年も中止されることとなりガッカリしている人が多いだろう。

こうやって考えると、コロナ以前と以後でまったく変わっていない習慣というと、毎年年末恒例の郊外近辺での車が燃やされてしまうあの"悪しき習慣"だけってことになるかもしれないね。

くみ: そうね。コロナが猛威を振るってレストランも閉鎖されていた去年の暮れにも、例年どおり車が焼かれたニュースが流れたのには呆れて笑ってしまった!

佐々木 くみ 執筆家、イラストレーター

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ささき くみ / Kumi Sasaki

東京生まれの30代。フランス在住10年を超す。2017年10月に、エマニュエル・アルノーと共著で自らの体験をつづった『Tchikan(痴漢)』をフランスで出版。イラストも手掛けた。

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エマニュエル・アルノー 小説家

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Emmanuel Arnaud

1979年生まれ、パリ出身。2006年より児童文学、小説、エッセーをフランスにて出版。2017年にThierry Marchaisseより佐々木くみとの共著『Tchikan』を出版。2000年代に数年にわたり日本での滞在、および勤務経験を持つ。個人のサイトはこちら

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