フランスに住む日本人女性のくみと、日本に住んだ経験を持つフランス人男性のエマニュエルが日本とフランスの相違点について語り合う本連載。今回はフランス人にとってこの時期超重要なクリスマス、そして、大晦日の過ごし方がこの2年でどう変わったのかを語り合いました。
フランス人にとって大切なクリスマス
エマニュエル:ちょうど2年前に日本とフランスでの年末年始の過ごし方についての記事(日本とフランス、「年末年始」はこんなに違う)を書いたのを覚えてる?あの頃はまだコロナ禍が始まる前だったので、その後、去年や今年の年末年始ではどう過ごし方が変わったのかを話し合ってみようか。
くみ:考えてみれば確かにそのとおりね。あのときはその次のクリスマスに世界がこんなに変わるなんて思ってもいなかった……。
エマニュエル:フランスでは24日の夜(時には25日のお昼にも)には家族、親戚一同が集まってクリスマスディナーでお祝いをする。その時には、子どもたちだけでなく、家族みんなの分のプレゼントを各自用意するので、大量のプレゼントを買うことになる。
今年のクリスマスもワクチンが普及したとはいえ、まだ感染拡大は続いているので、まだコロナ禍以前のようには過ごすわけにもいかない。昨年、医者が予防策として勧めていたのが、家族で集まるときにも参加者全員がマスクをつけるということだったが、クリスマスで集まってやることといえば、食事をしながら話すことなので、話す時だけマスクをつけるなんて器用なことはできるわけがない。
クリスマスディナーをオンラインで行うという提案もあった。これは少人数ならできるかもしれないけれど、大人数の場合は難しいし、これでは家族一緒にクリスマスをお祝いした気分にはなれないと感じるフランス人がほとんどだろう。
日本でもコロナ以降は年末の過ごし方も変化はあったの?
くみ : 日本では年末年始に帰省しない選択を取らざるを得なかった人が多かったと報道されていた。私の周りも、通常なら年末年始の一時帰国を楽しみにしているのに、コロナになってから帰省できない人がほとんど。特に単身赴任でフランスに来ている人々には本当に厳しい状況だと思う。
フランスのクリスマスはいわば日本のお正月みたいなもので、家族や親戚で集まったりするものだからね。日本人単身赴任者や帰省しない留学生や、単身者は友達同士で誰かの家に集まったりしているけれど、フランス人の身寄りのない人などどうしているんだろう?知り合いのフランス人高齢者で数年前に配偶者を亡くされた方などは、毎年子どもの家族が呼んでくれたり、昔からの友人家族が招いてくれたりするということだったけど……。