「仕事パツパツです」SOS出せない組織の根深い病 リモート出遅れ企業が信頼関係を築けない理由

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部下がSOSを出せない組織の根深い病とは……? (写真:shimi/PIXTA)
ハーバード・ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーにして、心理学者のアシュリー・ウィランズが書いた『TIME SMART(タイム・スマート)』。効率性一辺倒ではない、異色の時間術の本だ。「お金より時間が大事」「生産性向上はタイム・リッチ(時間的に裕福な状態)から」「まず、健康で幸福な生活を送る、その後、生産性・創造性が上がる」と説く。
今回は、ジェンダー平等をミッションとして、コミュニティー事業やクラウドファンディング事業を展開する株式会社Kanattaの井口恵氏が、生産性を上げながらも、「タイム・リッチ」に働くためのポイントについて語った。

自分の時間を自由にコントロールする

私が起業したのは、自分の時間をもっと自由にコントロールしたいという思いからでした。監査法人で会計士として勤務していた頃は、連日深夜3時から4時まで働くこともありました。

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当時はまだ社会人1年目で、体力はありましたが、上司は10歳ほど年上の女性管理職の方で、深夜3時まで働いて帰宅し、朝5時には起きて、家族の3食分の食事を用意してから出社していると聞いていました。つまり、寝ていないんですよね。そこまでしないと、この会社では出世できないのかと驚きました。

そして私自身、仕事中に倒れてしまったんです。目を覚ますと先輩に囲まれていて、「大丈夫? 今日は帰っていいよ」と。その時点ですでに23時頃だったのですが、私は、「もう帰っていいの? ラッキー!」という感覚でした(苦笑)。さすがに「私、ヤバイかも。これが一生続いたら死んじゃうかもしれない」と思いましたね。

その後、LVMHに転職しました。女性が8割の会社で、子育て中の方がほとんど。そこでは、一転して「残業をするな」と言われていました。監査法人では、「明日また別の仕事が降ってくるかもしれないから、今日できることは、終電を逃しても、今日やってから帰れ」でしたが、LVMHでは、「明日できるなら帰って」です。

ただ、定時に上がる企業文化でも、成果主義ですから、限られた時間でどれほど仕事しているかを見られます。会計士時代は、とりあえず出社して、さあ今日はなにをしようかと考えて仕事を始め、夕方になると「まだあと7時間あるな」という感覚でした。

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