「仕事パツパツです」SOS出せない組織の根深い病 リモート出遅れ企業が信頼関係を築けない理由

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社内では、従業員にも、「自分にしかできない仕事に集中して、そうでないものはほかの人にお願いしてね」と言っています。

仕事もプライベートも「自分にしかできないか、ほかの人にもできるか」は、大きなポイントです。私は、ミーティングの調整、タクシーを呼ぶなど、本当に小さなことでも、自分にしかできないこと以外は、徹底してやらないようにしています。

自分で時間を自由に管理し、コントロールできるようになっただけに、「何に時間を割くか」は真剣に考えているのです。

本書に、自分がやっていることをすべて書き出すという方法が紹介されていますが、私も最初はそのようにやっていました。すべて書き出して、自分以外の人でもできることはすべて外注にしました。そうしないと、ついつい何でも自分でやる癖がついてしまっていますから。

本書が提唱している時間の節約法は、仕事だけでなく、プライベートにおいても、誰にでもできる大事なことです。最安値のものを比較しながら買い物をする時間はもったいないので、考えずにすぐに決めようと書かれていましたが、本当にそのとおりだなと思います。

1日が24時間というのは、誰にも平等です。それをどう使うかは、お金をどう使うかよりも大事ではないでしょうか。

休暇はじっくり考えるための時間

起業当初は、仕事をするために家事を外注して、時間を買うという感覚でしたが、いまは余暇も大事だと思うようになり、そのための時間をお金を出して買うという感覚になっています。

会計士時代は、1日17~18時間は会社にいて、休日はひたすら体力回復に費やしていました。今は、あえて休暇をとって、旅行に行くようにしています。

経営者仲間から、「あなたは従業員と連絡できる状況だと、ずっと仕事してしまうでしょ。1泊でいいから沖縄に行って、強制的に誰とも連絡をとれない状態にして休みなさい」と言われたのです。

最初は、なんで行きたくもないのに沖縄に行かなきゃいけないの? そんなことしてる場合じゃないと思っていましたが、実際にやってみると、休暇をとることで仕事のクオリティーや効率が上がることがわかりました。

会社員時代は、旅行することを楽しみにして、それをモチベーションに変えて働いていましたが、経営者になってからは大きく違います。数日の旅行に出ると、初日はのんびりしますが、2日目からは「早く仕事がしたいなあ」という気持ちになるのです。

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