あのプーチンを脅かす露「反体制カリスマ」の正体 クレムリンは「現政治体制に対する危機」と認識

反汚職活動家、政治家、抗議デモの指導者
アレクセイ・ナワリヌイのストーリーは3つの局面に分けて語ることができる。反汚職活動家、政治家、抗議デモの指導者だ。しかし、同一人物の3つの面は、母国を変えるために20年以上も繰り広げてきた政治闘争をより合わせる3本の糸にすぎない。
この3つの役割のいずれでも、ナワリヌイは一兵卒からはじめた。これらの道がどこへ続いているのかもよくわからないまま。反汚職活動をはじめた当初も、活動家ではなくただの少数株主だった。株式投資でカネを儲けたいだけだった、と彼はいっている。しかし、与えられて当然だと思っていた情報にアクセスできないとわかり、さらに、配当を受け取ってみて、不満が募った。それが闘う理由になった。
まずブログをはじめ、購読者を増やし、購読者を組織化して野心とともに育てはじめた。「株主保護センター」や政府調達に関する汚職調査サイトのロスピル、反汚職基金(FBK)を立ち上げ、活動家ブロガーのナワリヌイはしだいに政治家のようになっていった。