ロシアでコロナ急増「異民族襲来」に例える危機 プーチン大統領が直面する課題は一体何か?

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ロシアのプーチン大統領(写真:Sputnik/Alexei Druzhinin/Kremlin via REUTERS)

中国から始まった新型コロナウイルスの感染拡大が、今や全世界を覆いつくそうとしている。コロナ禍が世界経済に与える影響は、計り知れない。一刻の猶予も許されない対応を迫られる中、各国の対応に関心が高まっている。そのような中、本稿ではロシアのコロナウイルス感染拡大に対する危機認識に注目したい。

ロシアの動静をうかがう際に見るべき重要な指標は原油価格だ。ロシアは、アメリカやサウジアラビアと並ぶ世界有数の産油国であり、財政活動を石油・ガス関連産業に大きく依存している。実に国家歳入の約4割を石油・ガス関連が占めている。2014年のウクライナ危機後、日本を含む主要国が、貿易制限などの対露制裁を実施した。

そのとき、ロシア経済にとって最も大きな打撃は、制裁措置ではなく、原油市場における価格の低下が最大の原因であったと言われていることが、この国の経済構造をよく示している。さらに原油価格の大幅な下落は国防政策を含むロシアの安全保障にも大打撃を与えうるのだ。

原油価格の下落もロシアに甚大な影響

まさにコロナショックは原油価格を一気に押し下げた。先行き不透明感や、外出制限や自粛など生産活動の低下に伴う世界的な原油需要の減少によるものだった。

主要銘柄の原油価格が1バレル当たり20ドルを下回り、4月20日にはWTI原油先物価格の5月物が史上初めてマイナスになるなど、産油国にとっては非常事態といえる状況となった。

3月上旬時点では、OPEC加盟国にロシアなどが加わった枠組みであるOPECプラスの石油減産交渉において、世界における石油のシェアをあわよくば拡大させたいとのロシアの投機的な思惑もあり交渉が決裂した。

だが、下げ止まらない原油価格に危機感を募らせた結果、4月12日、一転して日量約1000万バレルの減産という過去に例のない規模の減産で合意を達成するに至った。これは、世界的な経済状況の悪化が長期的な不況につながることを覚悟しての苦肉の策ともいえ、国家財政に甚大な影響が及ぶという危機感をロシアが持つに至ったことが見て取れる。しかし、その効果はまったく見られなかった。

ロシアはコロナウイルスの感染拡大をどう見ているのか。

ロシアの新型コロナウイルス危機対策センターによれば、5月2日時点で国内感染者の累計は12万4054人、死者は1222人に達しており、感染拡大に歯止めがかからない。3月末から始まった外出制限下でも収束に向かう兆しはない。

また、ロシア大統領府によれば行政府のトップとして対応に当たっていたミシュスチン首相の感染も判明している。

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