iPhoneの「テキスト認識」を使わないのは大損だ パソコンで検索→電話番号の読み取りに大活躍

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翻訳結果は、テキストとしてコピー&ペーストが可能だ。日本語への翻訳は精度がイマイチで、必ずしも自然な文章に訳されるわけではないが、何が書いてあるかの概要はつかむことができる。まったく知らない言語で書かれている文章の大まかな中身を知るには、便利な機能と言えるだろう。

また、テキスト認識表示機能は、カメラアプリで写したものだけでなく、ブラウザ上に表示されている画像や、撮った写真にも適用される。例えば、サイト上に掲載されていた外国語のメニューを読みたいときにも、その文字を認識させ、翻訳にかけることができる。テキストだけでなく、画像の中身まで翻訳できれば、理解がさらに深まる。その意味で、テキスト認識表示は外国語を表示するときにこそ役に立つ機能と言えそうだ。

日本語の認識が必要なときはGoogle Lensを活用

将来的には日本語に対応すると思われるiPhoneのテキスト認識表示機能だが、それまで待てないというときにはほかの方法を模索したほうがいいだろう。どうしても日本語で書かれた文章をテキスト化したいときには、アプリを活用するのが手っ取り早い。精度の高さでお勧めなのが、Google Lensだ。といっても、Google LensというアプリはApp Storeにあるわけではなく、iPhoneの場合は、Googleアプリから呼び出す形になる。

日本語の文字認識に便利なアプリが、Google Lens。Googleアプリ内から利用できる(筆者撮影)

インストール後にGoogleアプリを起動したら、検索ウィンドウの横にあるカメラのマークをタップしてみよう。するとGoogle Lensが立ち上がり、カメラで文字などを読み取れるようになる。ただし、そのままだと「検索」になっているため、画面下をスワイプして「テキスト」を選択する。これで、文字を読み取れる状態になる。

あとは、日本語で書かれた文章に向かってカメラをかざし、シャッターボタンをタップすればいい。文字を認識したら、画像を直接タップして範囲を選択することができる。範囲選択後に「コピー」を選ぶと、文字列がiPhoneのクリップボードに格納されるので、ペーストしたいアプリを開いて文字を張り付ければいい。紙に書かれた文字を読み込んで自分の書いている文章に引用したいときなどに、使える機能と言えるだろう。

また、複雑な漢字の読みを調べたり、外国語に翻訳したりといったこともできる。文字認識や機械翻訳にはアップルよりもGoogleのほうが長く取り組んできたため、精度の高さにも定評がある。ただし、Google Lensは文字認識などの処理をサーバー側で行っているため、iPhoneがネットワークに接続しているときしか、この機能を利用できない点には注意が必要だ。iPhoneが何らかの事情で圏外になっていたり、通信状況が悪いと使えなかったり、レスポンスに時間がかかったりする。

対するiPhoneのテキスト認識表示機能は、処理をすべてデバイス上で行っているため、通信状況に関係なく利用できる。アップルがiPhoneに搭載するチップのAI処理の性能を高めているのも、こうした機能を実現するためだ。カメラアプリや写真アプリなどに直接機能が組み込まれているのも、OSを開発しているからこその使い勝手と言えるだろう。日本語には未対応だが、用途に応じて使い分けるようにしたい。

石野 純也 ケータイジャーナリスト

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いしの じゅんや / Junya Ishino

大学卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連の雑誌、書籍を編集する部署で、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後は、ジャーナリスト/ライターとして、モバイルに関連した幅広い企業を取材。ウェブサイトや雑誌を中心に、執筆活動を行う。ネットワークから端末、コンテンツまで、モバイルに関する全レイヤーをカバーする。主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。iPhone、スマートフォン関連の解説書なども、多数手掛けている。

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