社会人も必見「東大リスニング問題」超攻めた中身 来たるべき未来を予知していたような問題が多数

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東大リスニングは、その形式においても常識破りの「攻め」の姿勢を貫いています。まず、話者の数です。普通のリスニング問題といえば、英文の朗読や2人の会話といったものをイメージするでしょう。ところが、東大では話者が3人、4人というのが当たり前です。

2008年には「集合住宅の建築プランを検討する会議」という設定のもとで、4人の参加者が入り乱れて議論を交わしました。2013年には、「ある架空の国の議会での討論」が放送されましたが、その話者はなんと5人もいました。ラジオになじんでいる人ならわかると思いますが、音声のみで5人の声を聞き分けるというのは、母語であっても厳しいものがあります。

2015年度の「世界最大の望遠鏡」では、途中から会話に乱入してくるなまりの強い男性がジョークを連発し、会話を盛り上げました。ところが、これがあまりにも聞き取りにくく、試験会場ではジョークで笑うどころか、絶望した受験生のすすり泣きが聞こえたとか。

英語の放送中に突如読まれた日本語

スクリプトの形式も多彩で、遊び心に満ちています。

2002年度は「アルバイトの面接」という設定で、放送中に英語話者に対する「日本語能力テスト」が行われ、その解答の正誤を問う、という奇抜な内容でした。当時の受験生は、英語の放送中に突如読まれた日本語に度肝を抜かれたといいます。

また、アクセントも多彩です。毎年、リスニングの腕に覚えのある受験生に聞き取り調査をしていますが、アメリカを中心に、イギリス、スコットランドに加え、一部は日本人が読んでいるのではないかという報告もありました。2017年には「ナイジェリア出身の作家の回想」が放送されましたが、これもやはりアフリカ系の発音だったとのことです。

たかがリスニングの試験。ですが、東大は1988年にリスニング試験を導入してから、その可能性の限界に挑戦し続けているように思われます。

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