社会人も必見「東大リスニング問題」超攻めた中身 来たるべき未来を予知していたような問題が多数

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これまでに出題されたトピックには次のようなものがあります。

「自動運転ロボット」

「石油や原子力に代わる再生可能エネルギー」

「ブータンの民主化」

「オンデマンド書店」

「宇宙エレベーター」

「チリの砂漠に作られた世界最大の望遠鏡」

こうして列挙すると、何やら近年のホットな話題ばかり集めたという印象を受けるかもしれません。しかし、注目すべきなのはその出題年度です。

「自動運転ロボット」は2003年の出題です。人間に代わって自動車の運転をしてくれる「Driver 7」なるロボットが開発されているという設定で、この技術がはらむ問題点をテレビ番組で討論するという内容でした。今でこそ注目される自律走行車ですが、2003年当時は現実のものとして、ちまたで話題にされることはほとんどありませんでした。

ブータンで初の選挙が行われるにあたって、慣れない国民のために練習用の「模擬選挙」が行われる、という内容の問題が出されたのは2008年度です。その3年後の2011年にブータンの国王が来日し「ブータン旋風」が起こりました。「世界一幸せな国」の国王の人柄に日本人の多くが魅了され、幸福とは何かを改めて考えさせられました。

再生可能エネルギーは2005年の出題

「再生可能エネルギー」は2005年の出題。その6年後に福島の原発事故が起こり、代替エネルギーへの世間の注目が一気に集まりました。

東大の作題チームには、未来の予知能力があるのでしょうか。まるで東大英語リスニングのテーマをなぞるかのように、現実世界が進行しているのです。こうして概観してみると、東大リスニングの一貫した姿勢が見えてきます。それは世界へ、そして未来へと向けられたまなざしです。世界の知がどのような状況になっているのか、そしてこれからどこへ向かっていくのか。その一端をわれわれに見せ続けてくれるのです。

ちなみに、2020年度のリスニングでは遺伝子編集によって短期間で作物を栽培・収穫する「高速育種」が取り上げられました。気候変動と並んで、「食」の問題は21世紀の大きな課題となるでしょう。要注目です。

2021年度のテーマは「文明の崩壊」でした。こればかりは、現実とならないことを祈りたいものです。

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